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東日本旅客鉄道株式会社 様
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日本ではYahoo!Japanがいち早く導入し、現在では1on1ミーティングを取り入れている日本企業も増えてきました。
1on1のノウハウを培ってきたグローバル企業では、部下の成長を支援し、社員のエンゲージメントを高め、業績を高めるため、どのように1on1を活用しているのでしょうか。
2020年12月22日(火)、新卒から外資系IT企業で揉まれてきた当社の飯田を講師とし、1on1セミナーを開催しました。
当記事ではセミナーの内容をもとに、1on1を成功させる思考法と活用法について紹介していきます。
講師:飯田蔵土 Attuned セールス シニアマネージャ
新卒でHPにSEとして入社し、その後米国本社経営企画部門へ異動。複数の大手外資系企業にて戦略コンサル、事業部長、オペレーションズ本部本部長などを務め、AIベンチャーへの参画を経て現職。FAX注文書の入力から、多国籍企業間のM&A、営業、FP&Aまでカバーする。一橋大学大学院修了(MBA in Finance)
マネジャーや上位職者の職務は「管理する」ことであるという認識があるのではないでしょうか。
日本において「管理する」ことは、「統制すること」や「監視すること」だと捉えられがちです。ですが、「管理」の英語訳でありマネジャーの語源でもある「MANAGE(マネージ)」が意味するところは、ニュアンス的には「なんとかする」ということです。どうにか都合をつけ、時間も権利も自分がもてるすべてを利用して「なんとかする」ことをMANAGEと言うのです。
これは、部下が問題を起こさないように管理したり、業務を遂行するように監視するという意味での「管理業務」とはまったく異なる概念であると理解しておく必要があります。
すなわち、「管理」という意味ではなく、「MANAGE」という意味でのマネジメントを取り入れる必要があるのです。
エンゲージメントの上位25%と下位25%を比較したところ、トップ25%のほうが顧客評価は10%、生産性は17%も高く、欠勤は41%も低いということが分かっています。
出典:Gallup Survey Data around engagement
このように、エンゲージメントと成果が正の相関にあることは知られています。そして社員のエンゲージメントが高いアメリカと低い日本を比較すると、上司が部下と向き合っている時間に大きな差がありました。
出典:2017年ギャラップ社調査
アメリカの上位職者は部下をマネージすることに時間を割いており、エンゲージメントを上げる手段として1on1を活用しています。
もう一つ、生産性に大きく関わる項目があります。それが、「心理的安全性の確保」です。
心理的安全性とは、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられることを、そのような環境が確保されていることを示します。
簡単に説明すると、「言える化」と「聞ける化」がなされている環境のことを言います。
心理的安全性が高い環境では、「これを言ったら、プロジェクト進行の邪魔だと思われのではないか」という不安なしに、部下は自分の意見を述べることができます。(=言える化)
同様に、「これを聞いたら、無知だと思われるのではないか」といった不安なしに、部下は仕事についてたずねることができます(=聞ける化)。
この考え方は、Googleが提唱する新しい働き方の提言であるre:Workのチームについての項目内で定義されています。
この概念が生まれた発端は、Googleが自社内のあらゆるチームを調査し、高い成果を出しているチームの共通点として発見されたことでした。
マイクロマネジメント/放任主義/緊張感/アットホーム、そういった環境は成果には関係していませんでした。
一方で、どのような環境・マネジメント方針であれ、心理的安全性が確保されていれば効率的に成果を上げられるチームであったとのことです。
講師自身が、そのキャリアのなかで心理的安全性の重要性を感じた経験もあります。
講師の飯田は、外資系戦略コンサル時代、業務上は強いプレッシャーを感じる事が多く、人間関係もピリピリした環境であったと言います。
しかし「自分が理解できていないことや疑問に思ったことを聞くこと」「正しいと思ったことを躊躇せず言うこと」は非常に強く奨励されていたそうです。
その結果、心理的安全性が確保され、激しくも活発で生産的な議論が多く行われていました。
同企業が現在に至るまで躍進を続けているのは、緊張感のある人間関係や環境に起因するのではなく、心理的安全性が確保された組織であることが要因ではないか、と分析しています。
心理的安全性が保たれたチームの構築には、マネジャーが果たす役割が大きく影響しています。
心理的安全性を阻害する要因は様々です。
重要なのは、マネジャーやチームのリーダーが、部下やチームメンバーとのコミュニケーションのなかで、心理的安全性が確保されていることを示しつづけることです。
そのためには、以下のような振る舞いが推奨されています。
直接話の出来る親しみやすい人になる
自分自身が現在持っている知識の限界を認める
自分もよく間違うことを積極的に示す
参加を促す
失敗は学習する機会であることを強調する
具体的な言葉を使う
明確な目標・ゴールを設ける
明確な目標・ゴールに対する結果に対して一貫性があり、公平な扱いをする
2、3にあるように、マネジャー自身が「言える化」「聞ける化」を恐れずに実践することで、チーム全体の心理的安全性が高まっていきます。
そして実は、このようなコミュニケーションは1on1を行うことで副次的に実現可能なのです。
「どうすれば1on1が成功するか」のノウハウも蓄積されています。以下に1on1のゴールデンルールを示しました。
部下と向き合う時間が少ない日本企業においては、まずは部下と向き合う時間を確保することが重要です。たとえ15分でも良いので、定期的に開催しましょう。
「定期的に」という点も重要なポイントです。すぐにチームの雰囲気を変えたり、エンゲージメントを高めることはできません。すぐにはできないからこそ、じっくりと定期的にコミュニケーションを行う必要があります。
話が不意に、個人的な相談に及ぶ可能性もあります。どんな話になっても安心して話せる、と部下に思ってもらえるように、プライバシーを確保した環境で行うようにしましょう。
しっかりと向き合って話を聞いているという姿勢を見せるためにも、メモをとり、部下と話し合った内容を共有することは効果的です。メモに残しておけば、次回のワン・オン・ワンで同じことを話してしまったり、どこまで話したか分からなくなってしまうことも防げます。円滑なコミュニケーションで部下に信頼感をもってもらうためにメモを活用しましょう。
自分のことを語るのではなく、質問をし、部下からの回答を聞くようにしましょう。ときにはアドバイスをしたくなることもあると思いますが、なるべき聞くことに徹しましょう。
1on1は業務上の問題を直接解決する場ではなく、相手のことを知り、信頼関係を生む場として使いましょう。
部下に過去事例について質問されたり、自分の経験を話さなければならない場面に出くわすこともあります。そのような場合には、成功体験よりも失敗談を語るのが効果的です。これは、チームの心理的安全性を意識してもらうことにもつながります。
また、あくまで過去の失敗談であり、それを聞いたからといって部下の信頼感が揺らぐようなことはほとんどないでしょう。
部下と顔を合わせると、つい業務の進捗に話が進んでしまうのは致し方ないことです。ですがここは堪えて、心理的安全性を高め、エンゲージメントを上げる場として使いましょう。
ゴールデンルールを守るうえで注意すべき項目があります。それが「4. 効果的な質問をする。」です。
どのような質問が効果的なのかは、部下の価値観によってまったく変わってきます。この項で見ていきましょう。
業務の進め方で気になることはある?
仕事で「無駄だなぁ」って思うことある?
皆からフィードバックは十分もらっている?
目標は達成できそう?
何かボトルネックになってることはある?
何か学びたいことはある?
何か自分の能力や経験が足りないと思うところはある?
インスピレーションもらえる人います?
チームの働き方を改善する提案はある?
チームの働き方を改善する提案はなにかある?
誰かにサポートやアドバイスできると思うことある?
部下一人ひとりに対してパーソナライズされた、その部下に合った質問を選ばなければ、興味をもって聞いてくれず、また答えてもくれないでしょう。重要なのは、その部下が聞いてほしいと思っていること、話したいと思っていることに対して、価値観に合った質問をすることです。これこそが「効果的な質問」となります。
今週の最優先事項は?何か手伝える?
私がマネジャーとして改善できることはある?
また、上記は心理的安全性を高めるために、いつでも使える質問です。覚えておくと使える場面があるでしょう。
さらに、部下から声や要望を聞いたら、それと向き合って実現する努力をすることも重要となります。要望を聞いたうえで実現することで、強い信頼感につながるはずです。また、求められない限りアドバイスをしないという事と合わせて、部下が委縮してしまうような強硬な態度を取ることも止めましょう。
1on1はエンゲージメントを上げ、心理的安全性を確保するために適した手段の一つです。成功している多くのグローバル企業が実践していることを見ても明らかでしょう。彼らが取り入れている1on1の考え方や手法を取り入れ、ぜひ自社でも1on1を活用してみてください。
飯田蔵土 Attuned セールス シニアマネージャ
新卒でHPにSEとして入社し、その後米国本社経営企画部門へ異動。複数の大手外資系企業にて戦略コンサル、事業部長、オペレーションズ本部本部長などを務め、AIベンチャーへの参画を経て現職。FAX注文書の入力から、多国籍企業間のM&A、営業、FP&Aまでカバーする。一橋大学大学院修了(MBA in Finance)
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