2017年、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が、行動経済学の分野での功績によりノーベル賞を受賞しました。彼が開発に携わった「ナッジ」(nudge:そっと後押しする)とは、経済的なインセンティブを変えたり、行動を禁止したりすることなく、人の意思決定に影響を与える環境をつくり出す方法です。ナッジを活用した政府や非営利団体、国連などの国際組織は、世界中で202の公共政策団体が確認されているほか、企業においても、ナッジの活用が進んでいます。
では、「部下の主体性がない」「いつまでも若手が受け身のまま」などという管理職の悩みを解決するために、"部下の背中をそっと後押しするナッジ"を企図することはできないものでしょうか?このような問題意識を持つ人のために書かれたのが、このホワイトペーパーです。
これを読むことで、ナッジの考え方やその背後にある心理状態と、認知バイアスなどの基礎知識を学べます。また、企業や政府が「ナッジ」を企画する上で知っておきたい基礎から応用方法、検証方法などを、入門者にもわかりやすく解説しています。
著者について
ブランドン・ロウトマン
Attuned シニア行動科学者
シカゴ大学で行動経済学を学ぶ(行動科学修士)。英国 Behavioural Insights Team (2010年英国内閣の下に成立)に所属、米国内で多くのナッジプロジェクトに携わった経験をもつ。