【Attunedライターフェローシップ】内発的動機づけの記事を書き続けて得た学び
1年前、私はSubstackのニュースレター「Why Would Anyone」の最初の投稿を公開しました。そしてそれから約1年、Attuned ライターフェローシップというで、内発的動機づけについて研究する中で、私は多くの学びを得たのです。
私が扱ったテーマは、チーム・ビルディングや成長思考を否定するものから、山登りに関するまで本当に多岐に渡りました。
その中には、ニール・イヤール、アイレット・フィッシュバッハ、ダニエル・ピンク、エイミー・エドモンドソンなど数々の著名な作家や学者との対談も含まれています。彼らとの対談の中には、後悔を未来へつなげること、チームメンバーがリーダーシップを発揮すること、愛する人と目標を共有すること、心理的安全性の重要性についてなど興味深いトピックがいくつもありました。
今回の記事ではこれらのテーマと内発的動機づけに関して学んだことを振り返ってみたいと思います。
内発的動機づけについて学んだこと
内発的動機づけに関する最初の投稿をしたとき、私は内発的動機づけを、日々の行動や決断を明瞭で存在感のある状態に導く輝く道しるべだと考えていました。つまり、内発的動機づけを人が持つか持たないかのどちらかのものに分類されると考えていたのです。
1年間内発的動機づけについて探求し、何人かの心理学の専門家と対談を終えた今、私は少し違った形で内発的動機づけを理解しています。それは、内発的動機づけによって人生を楽に生き抜く人と、安っぽい褒め言葉や報酬に釣られるロボットのような人という極端な例は存在しないというものです。
モチベーションには幅があり、活動や状況に応じて変化します。あるときは外発的動機(例:延滞金を避けるために期限内に税金を払う)に揺さぶられ、あるときは内発的動機(例:誰も聞いていないときにシャワー室でWaka Wakaを歌う)に動かされて、行動しています。普段の生活でも仕事でも、私たちは外発的動機と内発的動機のどちらにも動かされているのです。
ニュースレター開始当初、私は自分が人を喜ばせるタイプだと考えていました。そしてそれは今でも変わりません。これは重要なことです。
このように自分のことを理解していくことで、内発的動機づけを回復していくことができるのです。もし今のあなたが、自分の内発的動機から切り離されていると感じ、何から始めたらいいのかわからないとしたら、ぜひ以下の3つに取り組むことをおすすめします。
自分自身を知る
まずは自分の体を気にすることから始めましょう。これを今読んでいるとき、あなたは快適ですか?肩が凝ったり、足が冷えたりしていませんか?何があなたにエネルギーを与え、何があなたのエネルギーを枯渇させるのでしょうか?
私は以前、マーサ・ベックの言葉を引用したことがあります。「本当に快適な環境にいれば、もっと積極的に取り組み、自分に自信が持てるかもしれません。もし、職場環境が悪いと感じたら、その原因となっている仕事を少なくすれば、自分に自信が持てるかもしれません。つまり、自分にしっくりくることだけやればいいのです。」このように、自己認識を深めることは、小さなことでも大きなことでもよいので自分を気にかけることが大切なのです。
自分の境界線を理解する
自分の境界線を主張するためには、自分と他の人々(社会)の境界線の違いを理解することが大切です。例えば、あなたの子供はレゴが大好きで楽しく遊んでいますが、あなたはそのブロックを見るだけであくびが出るかもしれません。
また今あなたが所属する会社があなたに十分な給与を支払い、加えてあなたの親があなたの仕事を誇りに思っていたとしても、あなたにとっては全くしっくりこないものなのかもしれません。他人には測れない自分の物差しを持つことも大切なのです。
あなたの環境
ここで、内発的動機づけと外発的動機づけという言葉を使うと、少し混乱するかもしれません。内発的動機づけは自律性を促す環境が必要なのです。そのような環境を作るためには、親、友人、教師、上司、同僚、インターネット上の知り合いなど全ての関わる人が自分たちの議題を押し付けず、その人が持つ固有の視点を尊重することが必要です。
内発的動機づけに関するニュースレターを書くにあたって学んだこと
プロジェクト開始当初は、アイデアが枯渇しないか、内容がつまらないと思われないか、詐欺師と思われないかと不安でした。でも、そんな心配は無用でした。以下の3つが、その大きな理由だと思います。
内発的動機づけへの興味
退屈なことについて102の記事を書けと言われても難しいでしょう。私はメインテーマこそ選びませんでしたが、内発的動機づけというトピックに関心があり、特に子どもや創造性にどう適用されるかについて学ぶのが好きなようでした。そういった自分自身の純粋な興味に従いながら学ぶことで、続けることができたのです。
記事の構成
このプロジェクトが始まって1ヶ月が経った頃、私のAttunedのメンターが記事の構成を提案しました。それは外部からのインスピレーションや情報源を利用して、さまざまなトピックを取り上げることと個人的なエッセイを組み合わせることです。この構成により作業量を管理し、モチベーションが低下したときにも対処できるようになりました。
テーマの探求
ジャーナリストとして、私はバランスと権威を追求するように意識しています。ニュースレターの記事を定期的に書くには、完璧さよりも規則性を重視し、書くテーマを吟味し、反映させる異なるアプローチが必要でした。即座に明確な答えを求めるのではなく、進行中のものを共有することに抵抗がないことも徐々に分かってきました。
ニュースレターを成長させるために学んだこと
ニュースレターを書くのは楽で、儲かる副業のように思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしSubstackなどのニュースレターで読者を増やすのは想像よりも大変です。多くの人が良いコンテンツを書き宣伝を行いますが、それでも読者を一度に増やすことはできず、大きな収入を得ることはさらに困難を極めます。
このように振り返ると、内発的動機づけというトピックはニュースレターを書く際にとても適していたのです。
書くことを楽しむ
私が大切にしているのは書くプロセスを楽しみ、自分のテーマに純粋に興味を持つことです。私は、「うまくいく」あるいは「自分のプラットフォームを構築する」ための作品を量産するよりも、尊敬する人々の意見を取り入れ、自分が気になる記事を作り、共有することに時間を費やしたいのです。私の「ベスト」な投稿は書いていて楽しく、読者の共感を得られるようなもので、私自身が読みたいと思えるものなのです。つまり、書くことによって、自分自身が何かを理解することができたのです。
成功にルールはない
書き始めた頃は、記事を簡単なステップで購読者リストを急成長させるためのレシピを紹介するハウツーガイドに没頭していました。しかしすべてのプロジェクトに通用する魔法の薬はありません。
私は義務感や失敗を恐れるのではなく、自分自身の基準、好み、傾向に従って物事を試してみることを学んでいます。また何が自分にとって心地よく、重要であるかに注意を払っています。例えば、「私が読者として読んでもこれを好きだと思えるだろうか、作家として私はこれを楽しめるのだろうか」。そのように問いかけます。そしてそれでも疑問が消えないときは、私が信頼し尊敬する何人かの人に意見を求めます。
最後の言葉
結局のところ内発的動機づけを大切にすることは、一回で達成できる有限の結果ではなく、個人の発見のプロセスなのです。私にとっては、日々このことに注意を払うことで、わずかな視点の変化や楽しみが生まれ、あるべき姿に自分を押し込めようとするのではなく、現在の自分を受け入れて仕事をするようになりました。私は、この探究心と学習意欲を持ち続けたいと思います。
皆さんにも、この1年間の旅を一緒に楽しんでいただけたのならば幸いです。
Attuned ライターフェローシップは終了しますが、内発的動機づけに関するタニアの文章は、SubstackのWhy Would Anyoneや、新しいニュースレターHome Mixed Homeで引き続き読むことができます!
Tania Rabesandratana
Science Journalist & Attuned Writer Fellow 2021