2024年4月25日、AI駆動の社員エンゲージメント・プラットフォームを提供するAttuned社主催のウェビナー「Z世代の採用と定着 - 企業がすべきこと」が開催され、各業界の専門家が登壇しました。登壇者にはメディアおよびテキスト分野で現在働いている初期キャリア採用および開発ディレクターのジセル・バトリーさん、AppleやT-Mobileを含むフォーチュン100企業で15年以上の経験を持つDEIコンサルタントのアイバン・H・リーさん、Work Lifeのシングルシニアリポーターであり、Digitaの「The Return」ポッドキャストのホストでもあるクロエ・キャリハンさんの三人の豪華パネリストです。この記事ではウェビナーの要点を日本語にまとめました。

Z世代のステレオタイプと実像

冒頭、パネリストらはZ世代に対する「忠誠心がない」「気まぐれで勤勉ではない」といった先入観は必ずしも当てはまらないと指摘しました。Z世代は911テロ、不況、銃乱射事件、気候変動、コロナ禍など様々な出来事の影響を受けて育ち、柔軟性や透明性、個人の価値観と企業理念の一致を重視する傾向にあるといいます。

ソーシャルメディアの活用と企業ブランディングの重要性

また、Z世代は仕事探しやキャリア形成においてソーシャルメディアを積極的に活用しており、職場体験や給与情報を自由に共有する傾向があります。企業には、Z世代の心を捉える採用ブランディング戦略とSNS上での存在感の向上が求められると述べました。最近では若者もSNSを通じて自分の仕事を発信しているケースが多くみられます。

多様性に応えるリーダーシップと組織文化の変革

Z世代は、多様な背景と価値観を持ち、ステレオタイプには収まりません。そのため、Z世代の多様性に応えるため、幅広い層を反映したリーダーシップチームの構築や、従業員の声に耳を傾ける柔軟な組織文化への変革が不可欠と訴えました。新入社員の副業やプライベートを尊重し、手厚い福利厚生を提供することも、Z世代の定着につながる施策です。

Z世代の価値観を活かせるかが企業の未来を左右する

パネリストらは「Z世代社員の声を活かし組織を柔軟に変革できるかどうかが、これからの企業の発展を左右するだろう」と述べ、Z世代の価値観を理解し、彼らの活躍を支援する先進的な取り組みを進めることが急務と訴えました。さらに、年収やボーナスなどの金銭的な動機付けではなく、成長と公正な労働環境が企業の魅力になると述べました。そのため企業がインターンシップを通じて早期に若者を引き付けることの重要性が挙げられました。

コロナ禍で加速したリモートワークの普及など、働き方が多様化する中、Z世代をはじめとする若い世代の声を反映し、新しい時代に適応した組織づくりを進められるか。各企業の動向が注目されます。

まとめ

パネリストの採用と定着のための提言をまとめると以下の通りになります。

• 企業の方針や社会貢献活動をSNSやTikTokで発信し、透明性を高める

• フレックスタイムや副業容認など、ワークライフバランスを尊重する環境づくり

• 給与水準の公開や、イノベーションへの報酬制度を設ける

• 役職にとらわれず、プロジェクトベースでスキルを活かせる機会を提供する

• 多様性を尊重し、差別のない公平な雇用環境を実現する