社員の94%がやる気の無い日本 - HR EXPOから読み取るこれからの人事
そうなのです。Gallup社の調査によると日本の会社員の実に94%もの人がやる気が無いそうです*。一日の大半を職場で過ごしていると考えると悲しい数字ですよね。他国と比べると日本ではあまり社員が辞めないので、生産性が低いまま社員が残ります。
エンゲージメントは人事の課題からマネージャー自身の課題へ
さて、3日間東京ビッグサイトで行われたHR EXPOでは様々な問題の解決策を求めて大勢の方が集まりました。マーケットからの声は様々でしたが、以下のような悩みを抱えている方が多かったように思います。
「最近若いエンジニアの離職率が高くて困っている」
「チームのやる気が無いって分かっているけど、効果的な対策が打てない」
私が一番驚いたポイントは質問の内容ではなく、お話をした多くの方が人事部の方ではなかった、ということです。実際にチームのリーダーとして前線で活躍されているマネージャーの方が自らHR EXPOに出向きソリューションを探しに来ていたのです。技術部門、営業部門、など様々なマネージャーが「何とかしたい」と真剣に解決策を探しに来られていたのには驚きました。エンゲージメントはもはや人事部の問題では無く、全てのチームの問題となっていたのです。
退職理由は「上司」がNo. 1
ではエンゲージメント(やる気)の低い原因はどこにあるのか。
退職した人に聞くと辞めた理由のトップは「上司」です。米国では実に75%の人が「会社を辞めたのではなく、上司を辞めた」と答えます。エンゲージメントの鍵を握るのは多くの場合「上司」なのです。
モチベーション(内発的動機付け)を見える化し、良い上司を育てる
今まで良い上司になるには長年の経験と勘が必要とされて来ました。但し、以前と確実に違うことは良い上司になるためのデータが取れるようになったということです。マネージャー自身と部下のモチベーションがどこにあるのかを測定し、その違いを見える化できる技術がもう存在するのです。やっと良い上司になるためのデータが取れる時代がきたのです。
月曜日の朝、「よし、今日も会社で頑張ろう!」と思う理由は一人一人全く違います。
上司が部下一人一人のモチベーションがどこにあるのかを理解すると良いマネージメントが格段にしやすくなるのです。このようなモチベーション(内発的動機付け)に関するデータが今後、採用、エンゲージメント、チーム作り、など様々な分野で活躍する日がもう直ぐそこまで来ているとHR EXPOに参加して強く感じました。
出口雄一郎
*”It’s the Manager”, Jim Clifton, Jim Harter, Gallup Press