マネージャーが部下のモチベーションを把握すべきシンプルな理由

仕事をする際にモチベーションが重要であることはもはや言うまでもありません。しかしそのモチベーションを組み込んだマネジメントは非常に難易度の高いものになります。マネージャー達による動機づけの失敗の理由やその影響、あるべき姿について解説しています。

入社6ヶ月後のモチベーション低下

 
 

2001年から2004年にかけて、ニューヨークを拠点とする経営コンサルティング会社シロタ・サーベイ・インテリジェンス社は、フォーチュン1000企業50社以上の120万人の従業員 を対象に、グローバルで大規模な調査を実施しました。調査対象となった企業の85%では、 入社後6ヶ月以内に従業員のモチベーションが急激に低下していることが明らかになりまし た。

一体何がいけなかったのでしょうか? 知的で高いモチベーションを持った社員が、自分の 役割に意欲的でなくなってしまった理由とは?

その答えは、ほぼ間違いなくマネジメントの失敗であり、個人レベルだけでなく制度レベルでのマネジメントの失敗です。

動機づけの試みが失敗する理由

 
 

ハーバード・ビジネス・レビューのトーマス・シャモロ・プレムジとルイス・ガラードによる 2017年の記事『部下のモチベーションを上げたいなら、直感に頼った行動をやめよう』の中では「多くのマネージャーが自分の役割を、激励会や感動的なスピーチ、ピザパーティーを開催して人々のモチベーションを上げることだと考えているが、現実にリ ーダーがモチベーションを上げるための最善の方法は、仕事をうまく設計し適切な役割に人を配置することだ」と述べられています。

この記事の中では、多くのマネジャーによる動機づけの試みがなぜ失敗するか4つの理由を特定しています。 プレムジとガラードは、偏った業績評価(すなわち、自分と似たような従業員を評価し報酬 を与えようとする自然な傾向)と効果的でないフィードバックに加えて、目標設定への過度に単純化されたアプローチ(従業員の内発的な動機を考慮に入れない、目標を外部報酬に密接に結びつけすぎること)、および「退屈な仕事の性質」の測定の難しさ、すなわち、仕事が従業員の内発的動機をどの程度満たしているか、または仕事が有意義であるかどうかを評価できないことを指摘しています。

モチベーションの把握がビジネスの命運を分ける

 
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この失敗の影響は多岐に渡ります。まずは潜在能力を十分に発揮できていない労働力の産出、またそこから波及して経済的・組織的な課題をも引き起こします。例えば会社はほぼ確実に、従業員のモチベーションや仕事の満足度にほとんど影響を与えない、あるいは有害な影響を与える可能性すらある外部報酬の提供に時間、 コスト、リソースを浪費することもあります。さらにこれがスタッフの定着と新しいタレン トの獲得の両方に悪影響を与える企業文化を生み出してしまう可能性もあり、そうなった場合には問題を一層複雑にしていきます。

ここまでお話しすれば、従業員の内発的動機を理解することが、あらゆるビジネスの成功の鍵であることかは明らかでしょう。

最後にフランクフルト大学のヴァン・ディック教授のコメントをお伝えしておきましょう。「私は、部下のモチベーションを理解し、それを利用したマネジメントを行うことはリーダーが行動する上で最も重要なことだと思います。学部、大学院、経営者向けの講義を行う際には、常にモチベーションの基礎から教えています。リーダーシップにおいて、何が従業員のパフォーマンスを向上させ、人との結びつきを良くするのかを理解することが本当に重要だと思います。」

Attunedホワイトペーパー『モチベーションを高める動機づけの最先端〜従業員の内発的動機を理解することが変化を乗り切るビジネスの鍵』より

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