モチベーション管理にまつわる5つの誤解
こんにちは、Wahl+Caseのマーケティングチームのリーダー、梶原安寿です。
人を効果的に動かすのは複雑で微妙なプロセスです。正しく理解し忍耐強く取り組む必要がありますが、そもそもあなたの行動計画が誤りや誤解に基づいているとすれば、期待する効果を得ることも難しいかもしれません。
この記事では、モチベーション管理に関する一般的な5つの誤解と、その代わりに注目すべきことをご紹介します。
誤解①:人は同じものに突き動かされる
現実には、人はそれぞれ異なった要因によって行動しています。
世界中の企業が卓球台や充実した食料庫、ジム会員権などの特典を提供することが社員のやる気を引き出す秘訣だと考えていたのは、それほど昔のことではありません。しかし、誰もが同じものに突き動かされていると考えることは間違っているだけでなく、その実践によって逆効果になることもあります。
真実はもっと複雑で、もっと美しいものです。実は人のモチベーションプロフィールは、指紋によく似ています。
人がモチベーションを高める要因には限りがあるのは事実ですが、その人にとっての相対的な重要性を考えると、組み合わせはほぼ無限にあります。Attunedはそれを測定しました。その背景にある長い話(そしてさらに長い方程式)を短くまとめると、モチベーションのプロフィールは約7.5兆通りあり、2人の人間が全く同じモチベーションを持つ可能性は非常に低いということになります。
したがって、人を効果的に動かすためには、まず個人のモチベーションへのニーズを理解することが重要です。
誤解②:社員のモチベーションを高めるのは、人事部やマネージャーの仕事である
間違いではありません。しかし彼らだけではなく経営陣、人事部、そしてマネージャーなど社員に関わる人すべてが、モチベーションの高い職場を作るために果たすべき役割を持っています。
マネージャーとしてメンバーのやる気を引き出すためには、彼らが自分のモチベーションのレベルや、やる気を起こさせるタスク、そして逆にやる気を失わせる交流などについて、正直にフィードバックできるような信頼関係を築く必要があります。また、個人の欲求に合わせて様々なアプローチを検討する必要もあるでしょう。自律性を重んじる人もいれば、明確な目標や指示、ルールによる安全性を好む人もいるかもしれないからです。
あなたが人事部門にいるなら、あなたの責任は本質的に体系的なものです。あなたは社内のマネージャーたちに、研究に基づいた最先端のツールやトレーニングを提供し、もっと効果的に人を動かすことができるようなプロセスを作ることを目指すべきです。
また経営層においては、モチベーションと文化の重要性を認識し、意味のある進歩を遂げるための十分なリソースを人事部に与えることを最優先するべきだと言えます。
誤解③:社員のモチベーションは、報酬と罰によって決まる
実際には、社員のモチベーションは彼らの中から生まれます。
古典的な経営手法である「アメとムチ」では、報酬と罰がモチベーションを高める鍵となります。ボーナス、インセンティブ、特別休暇などがあり、一方では批判、懲戒、解雇などが例としてあげられます。これらはすべて「外発的動機付け」と呼ばれるものに分類されます。
一方「内発的動機付け」とは、人を内面から突き動かす価値観や好みであり、特定の仕事をすることをより意味のあるものにするものです。
多くの企業では、長い間外発的な動機付けに重点が置かれてきましたが、何十年にもわたる心理学的研究により、外発的な動機付けはそれまで信じられていたほど効果的ではなく、むしろパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがわかっています。
一方内発的な動機付けは、エンゲージメントの向上、パフォーマンスの向上、そして全体的な幸福感に強く結びつきます。
内発的動機付けと外発的動機付けの違いについての詳細は、こちらの入門記事や最近の学術研究をご覧いただくか、このテーマに関するホワイトペーパーをダウンロードしてさらに詳しくご覧ください。
これらの内容をあえて簡単に言うとすれば、リーダーは外発的な動機付けに重きを置くのをやめて、社員の内発的な動機付けを理解する努力を始めなければならないということになるでしょう。
誤解④:モチベーションの高い人は管理しやすい
現実にはモチベーションの高い人はそれに応じた高いニーズを持つことがあるため、一概にそうと言い切ることができません。
では社員のモチベーションが高いとはどういうことでしょうか?
Attunedにおいて社員のモチベーションが高いとは、社員が必要としている「モチベーション」が仕事で満たされていることを意味します。言い換えれば、社員が自分にとって仕事を意味あるものにするために参加し、追求できる環境にあるということです。そして、必要なものが多ければ多いほど、その人に必要なモチベーションは具体的になります。
ではどうすればその人のモチベーションの要素を知ることができるのでしょうか?この問いは次のトピックにつながります。
誤解⑤:モチベーションとカルチャーへの適合性を測定することは不可能である
現在では、アセスメントによってモチベーションとカルチャーへの適合性を測定することは可能になりました。
比較的最近まで、人のモチベーションを理解するのは大変な作業で、多くの時間を要していました。何度も1on1のミーティングを行い、数え切れないほどの時間をかけて現場で評価や観察を行い、何週間、何ヶ月、何年にもわたって試行錯誤を繰り返して、ようやくその人のモチベーションを把握することができたのです。
しかしAttunedを使うことで、この気の遠くなるほど長いプロセスを省くことができるようになりました。
長年の心理学的研究とAIを駆使したAttunedの「モチベーター・アセスメント」を受けると、その人の目に見えない原動力や価値観を瞬時に可視化する独自のレポートが作成され、マネジャーは各人が職場で活躍するために何が必要か、より深く理解できるようになります。
またマネージャーはチームメンバーとのモチベーションギャップを知ることもできるので、個人のニーズに合わせてマネジメントアプローチを最適化したり、コミュニケーションを強化するための共通言語を身につけたりすることができます。
カルチャー適合(そしてカルチャーアド)に関しては、Attunedは個々のモチベーションレポートを集約して、チームや企業のカルチャーを可視化するチャートを作成し、コアとなる共通の価値観と異常値の両方をハイライトします。これにより、チームの他のメンバーと似たようなプロフィールを持つ人をスクリーニングすることが容易になります(または、現在のチームダイナミクスに欠けているものをもたらすことができる人を見つけることができます)。
モチベーションの構成要素
ここまでモチベーションについての誤解をいくつか紹介しましたが、ここからは社員のモチベーションを高めるために何ができるかを考えてみましょう。
個人をエンゲージする
組織や部門、チーム全体を見るのではなく、社員一人ひとりのモチベーションを理解することが重要です。モチベーションのプロフィールは人それぞれなので、それに合わせてマネジメントやリーダーシップの方法を変えていくことが大切です。
信頼感と心理的安全性の雰囲気を作る
信頼と心理的安全性は、成功する組織にとって不可欠な要素です。それら2つが確保された組織では、社員は全方向に自由でオープンなコミュニケーションを取ることができます。本当に長く続く、深い信頼関係を築きたいのであれば、リーダーであるあなたのモチベーションだけでなく、彼ら自身のモチベーションを社員が知ることが重要なのです。
内発的な動機付けを重視する
外発的な動機付けが社員に良い影響を与える仕事はいくつかありますが(主に生産ラインのような退屈な反復作業)、ほとんどの場合人は内発的に動機付けられた方がずっと良い結果を得ることができます。仕事そのものから満足感を得られれば、人々はより積極的に仕事に取り組み、生産性を高め、幸せになります。そして、社員にとって仕事がより意味のあるものになることで、組織全体が利益を得ることができるのです。
ツールとデータを使って社員のモチベーションを測定する
結局のところ大切なのは、社員が何に突き動かされているかを理解することです。これまでは、マネージャーが社員のモチベーションを把握するためには、1on1ミーティングやチームでのディスカッション、軽い雑談などを何度も繰り返す必要がありました。そのためには卓越した人間力と豊富な経験が必要ですが、それでも失敗はつきものでした。幸い現在はAttunedのようなツールがあり、多忙なマネージャーにとって、社員を理解するためのプロセス全体をより簡単かつ迅速に行うことができます。
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