上司による最適な仕事配分とモチベーションの両立をかなえる、8つのステップ
チームワークがよく、高いパフォーマンスを発揮するチームは、偶然作り出されるわけではありません。各メンバーの価値観や持ち合わせたスキルを理解し、適切な量の仕事を割り当てることで実現するのです。
本記事では、そのようなチームを実現するためのワークロードマネジメントとは何か、そしてそのために必要な8つのステップを紹介します。
ワークロード・マネジメントとは?
ワークロード・マネジメントとは、一人ひとりの社員に効果的に仕事を割り当てるプロセスのことで、企業の目標を達成し、チームメンバーのモチベーションを維持するために役立ちます。適切なワークロード・マネジメントにより、社員のパフォーマンスを最大化するだけなく、公平性を促進し、自信を持たせることができます。
適切でないワークロードマネジメントの危険性
適切なワークロード・マネジメントは、チームの成長と効率的なタスクの消化に役立ちます。その一方で、社員に多くの仕事を与えすぎると、燃え尽き症候群になったり、離職を考えるきっかけになったりすることがあります。
Forbes(*英語)によると、労働者の約80%が、燃え尽き症候群や仕事への不安などのメンタルヘルス関連の悩みを理由に退職しています。この要因の一つがワークロード・マネジメントのミスです。これを防ぐためのアイデアとして、従業員の意見を収集したうえで仕事を割り当て、人材支援ツールを活用するという、いくつかの簡単なステップを提案します。その結果、企業は安定した生産性を確保し、社員の定着率向上につながるのです。
チームのワークロードを効果的に管理する
優秀なマネージャーなら誰もがご存知のように、社員のマネジメントは単に仕事を与えるだけではありません。その本質は、仕事のバランスを調節し、社員をプロフェッショナルな人材として成長させることです。
ここでは、効果的なワークロード・マネジメントのための8つのステップを紹介します。
#1:チームの仕事量と能力を分析する
ワークロード・マネジメントで最も難しいことのひとつが、チームのキャパシティを把握することです。そのために必要なのが各メンバーがプロジェクトを達成するために要する時間を把握することです。
これは各社員に自分の適切な仕事量と仕事を終えるために必要な時間を見積もるよう依頼することで可能になります。また具体的な統計がある場合は過去の実績を頼りに、タスクを完了するまでにかかる時間を推測することもできます。
社員が自分の仕事量と能力を積極的にマネジメントするよう促すには、今後のプロジェクトのタイムラインを示すタスクチェックリストを作成するとよいでしょう。例えば、何週間も前にプロジェクトが割り当てられると、それに合わせて時間と仕事量を管理できるようになるために、それをを好む人もいます。具体的な策としては新入社員のためのチェックリスト(*英語)を用意し、新しい会社の仕組みや仕事量にできるだけ早くなじめるようにするとよいでしょう。
#2:タスクの優先順位付けと取捨選択
チームの仕事量と能力に基づいてタスクの優先順位を決める際は、タイムラインと生産性に影響し、会議や休暇、繰り返し発生する業務などを考慮する必要があります。
大きなプロジェクトやタスクを一度に割り当てることはチームに負担をかけることになるのでできる限り避け、タスクを分割して部下に割り振ることが適切なワークロード・マネジメントへの近道となります。
例えば大きな仕事は一人に任せるのではなく、複数の人に分けて割り当てることができます。同様に、特に大きな仕事や複雑な仕事はできるだけ早い段階で割り当てるようにしましょう。その結果、チーム内のストレスが軽減され、社員が時間をかけて質の高い仕事をすることができ、生産性の向上へとつながります。
最後に、優先順位の高いプロジェクトに印をつけることを習慣づけましょう。そうすることで、重要なタスクが抜け落ちるのを防ぎ、特別な注意を要する、緊急のタスクをチームに認識させることができます。
#3: 無理のない納期と目標を設定する
翌日までに終えなければならない大きな仕事を突然任された経験はありませんか?それは大変なプレッシャーです。そのようなときは質の高い仕事をすることに集中するよりも、締め切りに遅れないように仕事を終わらせることに躍起になるのではないでしょうか。
これはチームのメンバーも同じ気持ちです。優先順位の高いプロジェクトをギリギリに割り当てると、質に影響が出る可能性があります。そのため、設定された時間内に目標が達成できる(*英語)ようにしなければなりません。
余裕を持たせてもいいですが、管理可能な範囲で締切に関しては常に厳密であるべきです。
もちろん、急ぎの仕事は完全には避けられません。突然の仕事が舞い込むこともあるでしょう。そのためプロジェクトの継続性を確保するためのコンティンジェンシープラン(不足の事態、リスクに備えて立てておく、緊急時対応計画のこと)も用意しておきましょう。追加のタスクに集中するために新たに数人を割り当てたり、現在のプロジェクトを保留にしたりする必要があるかもしれません。
#4:フレキシブルに対応する
プロジェクトのタイムラインを設定したとき、すべてが計画通りに進むと自己満足に浸ってはいけません。定期的にチームの進捗状況を確認し、今のサポートの量、タイムラインは適切かどうか判断しましょう。
チームメンバーと定期的に1on1ミーティングを行い、進捗状況を確認する方法がおすすめです。もしあるメンバーが責任を負いすぎているようであれば、他の従業員の助けを借りて、そのプレッシャーを軽減することができます。その代わり、質やスケジュールを犠牲にすることはありません。
ただし、チーム内で誤解が生じないよう、タスクの変更については必ず周知するようにしてください。例えば、共同プロジェクトであれば、各メンバーがタスクのどの部分を担当し、いつまでに終わらせるかを正確に把握するようにしてください。
もし、この調整がタイムラインに影響するようであれば、チームを再調整したり、より重要なタスクを他のメンバーがサポートしたりすることで、進捗を調整する必要があるかもしれません。
#5: 進捗状況をモニタリング・測定する
チームの進捗をモニタリングすることで、どの分野やメンバーに働きかけることで生産性を向上させることができるのかがわかります。例えば、あなたが割り当てたタスクが、ある人にとっては難しいものだった場合でも、別のチームメンバーはそのプロジェクトに長けていたり、専門知識を持っているかもしれません。定期的にモニタリングを行うことで、このような不調を締切の前に察知し、対処できます。
一貫したモニタリングのメリットは、全員が計画通り、時間通りに仕事を進められることです。プロジェクトが予定より遅れていることに気づいたら、手遅れになる前に、必要な調整をすることができます。その際行う調整には、以下のようなものがあります。
・その分野で高いスキルを持つ別のチームメンバーにタスクを割り当てる。
・大規模なプロジェクトには、協力して仕事を終えられるようにチームメンバーを追加する。
・優先順位の高いプロジェクトに取り組むために、緊急でないタスクを保留にする。
#6:タイムマネジメントの模範を示す
タイムマネジメントについてリーダーが率先的に模範を示すことが大切です。それと同時に一人のメンバーに多くのプロジェクトに集中することはパフォーマンスに影響し、燃え尽き症候群につながる可能性があるため、避けた方がいいでしょう。
ワークロード・マネジメントを改善することは不可欠ですが、休むべきタイミングも知っておく必要があります。チームを仕事中毒の道に導くのではなく、リーダーが働き過ぎを避ける模範を示しましょう。勤務時間内に仕事を始め、必要なときに休憩を取り、家に仕事を持ち帰らないようにすればいいのです。
Inc.com(*英語)によると、労働者は平均して毎月23時間以上余分に仕事をしており、これはタイムマネジメントがうまくいっていないことが原因だと言われています。
#7:ワークライフバランスを奨励する
あなたの部署では、急ぎの仕事や短い納期があるかもしれませんが、社員のメンタルヘルスを犠牲にしてまでやるべきではありません。メンタルヘルスの低下は、社員の燃え尽き症候群や仕事への充実感の低下につながります。仕事と生活のバランスを取り、適時休憩を取り、定期的な休暇を楽しむようにしましょう。
またチームビルディングのためのアクティビティを計画することで、雰囲気を明るくし、健全な企業文化を奨励することができます。これらは、チームの好みに応じて、勤務時間内でも勤務時間外でもかまいません。
#8:ツールを使う
チームのワークロード・マネジメントは、やや複雑です。そのため、常にチームをモニタリングしていると、あなた自身の生産性やタイムラインに悪影響を及ぼすかもしれません。しかし幸いなことに、仕事量やチームの管理を支援するツールがあります。
例えば、Monday.comを使えば、チームの仕事量の全体像を把握することができます。彼らの進捗状況や現在のプロジェクトがどの段階にあるのかを確認することができ、さらに時間が必要なのか、予定より早く終了しているのかを知ることもできます。
また、Scoro(*英語)はエンドツーエンドの仕事管理ソリューションを提供しており、一箇所でチームの仕事量を完全に管理することができます。新しいタスクと現在のタスクのスケジューリングや追跡ができ、各メンバーに十分な仕事を提供できたかどうかを確認できるようになります。
さらに、Attunedでは、各メンバーの価値観やモチベーションを一目で確認できるため、各メンバーの内発的動機づけ、つまり、彼らにとって意味のある仕事を割り当てることが可能になります。そうすることで、仕事の質やスピードが向上するだけでなく、問題や挫折を経験したときにも解決策を見出せるようになるのです。
まとめ
ワークロード・マネジメントは決して簡単ではありません。定期的な調整、仕事量の把握、締め切りの確認など、全員が生産性を高め、やる気をなくさないようにする必要があります。しかし、マネージャーが意識的に正しいアプローチをとれば、チームのワークロード・マネジメントの方法を変えることができ、全員が効率的で生産的であるようにすることができるのです。
Michael Needham
Chief Content Officer
Finturf.com