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プレッシャーの高いチームで心理的安全性を作るには?

私の営業のキャリアの始まりは、『マネー・ゲーム』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』ほどではありませんでしたが、業績が好調で、プレッシャーのかかるチームに所属し、最初からかなりの成果を期待されました。トップ・パフォーマーの階層は明確で、私は最下層にいました。チームのメンバーの何人かは、四半期や年間のトップセールスマンであり、私がチームの一員であることを証明するに値する成績を残すまでは、その一員になれないことは明らかでした。

私のチーム以外では、他のセールスマンからの質問はいつも『どのくらい結果を残したの?』 でした。つまり、どれだけの収益をもたらしたか?ということで私にとってそれは質問というより、挑戦でした。

当時は、ただ成功するためだけでなく、自分の居場所をつくるために、身を粉にして働きました。それは成功するためというよりは会社に所属し続けるためでした。

まだ入社して間もない頃は、私がオフィスで最後の一人になって、遅くまで働き、リードリストを更新するのが普通でした。私のチームは、重要なリストをCRM(顧客関係管理)に手動で保存する方法をとっていました。リストを更新する前にコピーを取ることが普通でしたので、バックアップはありませんでした。しかしある日、私はそれを忘れてしまい、コピーせずにリストを移動し、直接編集してしまいました。そして家に帰りました。

翌朝、上司がすぐにその過ちに気づきました。チーム全員がその場にいて、互いに顔を見合わせ、罪を犯した者に襲いかかろうとしたのです。私はすぐに自分の間違いに気づきましたが、自分のミスだと声を上げることはできませんでした。この仕事はあまりにも重要であり、私のミスは無視できないほど大きなものだとわかっていたからです。すぐにクビになることはないでしょうが、これまで築いてきたチームとの信頼関係も失うことになるからです。正しいことは分かっていたのですが、どうしてもできなかったのです。(ちなみに、昔のチームメイトがこれを読んでいたら......ごめんなさい、完全に僕です笑)。

私が来た時もそうだったようにこっちをみないで欲しい。

その事件もやがて収まり、それから間もなくして、私は初めての取引を成立させました。これによってやっと会社に所属していると感じられました。

私はこのときの失敗と、それを口に出せなかったことが、ずっと心に残っています。実は、この話は今まで一度も誰にもしたことがないのです。失敗を認めないのは私らしくないし、今までもたくさん失敗してきました。なのに、なぜあの時は違ったのでしょうか。

それは、私のチーム、そして組織全体に「心理的安全性」が欠けていたからです。私は新しいチームで認められようと必死でしたし、声を上げるにはあまりにもリスクが大きすぎると感じていました。


心理的安全性とは?

ハーバード大学の組織行動科学者であるエイミー・エドモンドソン氏によると、「心理的安全性」とは、「個人的なリスクを取っても安全であるという、チームのメンバーが持つ共通の信念」と定義されています。

心理的安全性:アイデア、質問、懸念、間違いなどを発言しても罰せられない、恥をかかされない、また、チーム内ではリスクを取っても安全であるという信念

営業も一般的にかなりプレッシャーのかかる仕事と考えられていますが、よりストレスの強い警察官や医者、NASAのエンジニアなどのような組織ではチームにおける心理的安全性の重要性が増します。やっている仕事の負荷が上がれば上がるほど、心理的安全性の重要性は高まるのです。

チームの問題を認識し、心理的安全性を高める

心理的安全性の欠如は、気づくことが難しい問題です。私の場合、フレンドリーで接しやすい人々が集まったチームの中で、職場環境が悪い状況が作り出されていたのです。おそらく他のメンバーは、新人の私よりも高い心理的安全性を感じていたことでしょう。しかし、既存の社員だけでなく、新入社員が心理的安全性を感じる組織を構築していくことが大切なのです。

ここでは、心理的安全性が欠けている可能性のある兆候をいくつか挙げてみましょう。

1. ミスが隠蔽される

あなたの組織では、起こった問題が突然消え、都合の悪いときにまた現れる傾向がありませんか?部下がミスをしたときにマネージャー層がどのように対処するかによって、今後どのようにミスが報告されるか(あるいはされないか)が大きく左右されます。

2. 内発的動機づけよりも外的動機づけが優先される

あなたの組織が個人の心を動かすもの(内発的動機づけ)を理解するよりも、外的動機づけの充足(報酬など)に重きを置いている場合、チームに対する信頼が欠如している可能性が高いと言えます。

3. コミュニケーションが一方通行 

あなたはどのように他者とコミュニケーションをとっていますか?時には、ただ何かを伝えていると感じているかもしれませんが、相手が質問やコメントをする余地を残しておかなければ、議論のドアを閉ざしていることになるでしょう。チームのミーティングにおいて、どれだけ相互にコミュニケーションが取れているかを気にすることも重要です。

4. 「沈むか泳ぐか」の感覚 

心理的安全性は個人の行動から構築されます。つまり、チーム単位から始まるのです。しかし、会社が組織としてどのように入社させ、どのように研修し、どのように自己啓発を行うかが、強いチーム作りの土台となります。オンボーディングがうまくいかないと、社員はいきなり放り出されたように感じてしまうのです。これでは、信頼関係も築けませんし、気分もよくなくなり、「自分は一人なのだから、自分次第でどうにでもなる」という前例を作ってしまうのです。

心理的安全性を確保するために

上記の問題を解決するためには意識的な努力と変化が必要です。以下では、心理的安全性をチームにもたらすために重点的に取り組むべき項目を紹介します。

1. ミスは、部下のコーチングと信頼構築のチャンス

私は、チームに新しく加わった人たちに、こう言っています。「どこかで、あなたは何かを失敗するでしょう。でも、大丈夫。誰もが経験することなのです。そのとき、それを解決するのが上司である私の仕事です。私の正式な仕事内容は、チームのための消防士です。だから、ミスをした時は私に相談して、一緒に解決していきましょう」と。私の目標は、ミスをすることへの恐怖を減らし、私が彼らの背中を押していることを伝えることです。そして、彼らがミスをしたときには、何が悪かったのか、どうすれば同じことを繰り返さないようにできるのかを一緒に考えていきます。

2. 内発的動機を重視する

外的動機づけではなく、Attunedのようなツールを使って、内発的動機づけを優先させることが心理的安全性を生み出すことへとつながります。給与や昇進などの外的報酬は短期的には効果をもたらしますが、心理的安全性は短期的な問題ではありません。Attunedを使うことで、その人の根底にある価値観、モチベーションの源泉を把握することができます。これらの価値観や動機づけは、ただ部下や同僚と話すだけでは特定することが難しく、その過程で誤解が生じることも少なくありません。

Attunedでは、たった15分で、モチベーションの源泉を把握し、内発的動機を理解することができます。詳細はこちらから

3. 議論の場を設ける

多くのマネージャーは部下の意見をいかに吸収していくかという点に神経をとがらせています。というのも、多くの場合、すでに決定されたことは変えられず、議論をしてもそれに意味を見いだせない部下の方々も多いでしょう。そこで、チームをリードしていく立場の人はチームに決定事項を伝えつつ、質問や不満の解消を促すことで、決定事項の経緯や理由を理解させることができます。

例えば、「これは私が決めたことではないのですが、仕方なく...」というような言い方をすると、基本的にチームのメンバーに対して力がなく、サポートは期待できないと伝えてしまうことになります。これでは、心理的安全性を高めることはできません。その代わり、自分の決断でありながら、彼らの懸念に共感し、最終的には愚痴の言い合いになるのではなく、チームをひとつにするために決断を利用することを目指しましょう。まだ自信がない方はデリゲーションポーカーを試してみてください。

4. オンボーディングの質を高める

オンボーディングは完全に人事の領域と思われるかもしれませんが、チームマネージャーは新入社員のオンボーディングに大きな影響を与えます。1on1を充実させることは良いアイデアですが、導入初期の段階では、優れたコーチであることがさらに重要です。経験豊富な人でも、最初の数週間(または数ヶ月)は助けが必要です。ですから、彼らが本当に自分の足で歩き始めるまで、手助けすることが重要なのです。

社員を見えないプレッシャーから解放するために

プレッシャーのかかる環境にいても、常にミスを恐れて生きる必要はありません。むしろ、その逆であるべきなのです。心理的安全性があれば、より多くのリスクを取ることができ、その結果、より多くの報酬を得ることができる可能性が高まるのです。

Attunedでは、心理学者とデータサイエンティストのチームが、仕事に関係する内発的動機づけを洗い出し、クラスター化と検証を経て 11 個に絞り込み、それらの11の内発的動機のことを、動機づけるモノ・コトという意味で「モチベーター」と呼んでいます。

さらに、55の質問からなるモチベーションアセスメントを受けていただくことで、個人にとってどのモチベーターが最も重要なのか、どのような仕事で最高のパフォーマンスを発揮するのか、どのような環境で最も活躍する可能性が高いのかを示すモチベーター レポートを提供し、心理的安全性の高い職場を作るための手助けとなります。


また、Attunedでは、1on1やワークショップを通じて、企業の心理的安全性を評価し、改善するお手伝いをしています。すでに職場で心理的安全性に課題を感じている場合でも、健康的でモチベーションの高い環境を維持したい場合でも、ぜひ私たちにこちらからご相談ください。

現在、Attunedは30日間の無料トライアルも実施しています!ご希望の方はこちらをチェックしてみてください!


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Chad Lafferty

VP, Global Sales

モチベーターレポート