コロナ禍でのチームの価値観の変化を知るためには?
コロナ禍で自分の価値観、あるいはチームの価値観が変わったかどうかをどうやったら知ることができるでしょうか?
あなたは大きく変化していないと思うかもしれません。しかし実はこの1年半は私たちに大きな影響を与え、人生のあらゆる側面にこれまでとは異なる視点を持ち込みました。そしてその結果、人々のモチベーションを向上させる仕組み、そしてそのマネジメントにおける課題にも変化が生じているのです。
Attunedのデータによると、新型コロナウイルス流行前と現在の社員の回答を比較すると、「合理性」「安全性」「フィードバック」「自律性」「利他性」のニーズが顕著に増加し、「創造性」「社交性」「ステータス」「競争性」のニーズは減少しています。
このデータは一般的な傾向の変化を示していますが、必ずしもすべての国、組織、チームに当てはまるというわけではありません。では個人レベルでは優先順位はどう変化したのか?これを理解するために、私が最近した仕事に関する知人との会話を深く掘り下げてみたところ、いくつかの発見がありました。例を2つご紹介しましょう。
パンデミックの間で個人の優先順位はどう変化したか?
⑴自分自身の動機が変化したブルーノの場合
ブルーノは世界的なEコマース企業のスタッフソフトウェアエンジニアで、組織の中で成長していくことは、彼にとって全体的な幸福の基盤でした。しかし新型コロナウイルスが流行し始め家で過ごす時間が増えたことで、彼は自宅のガレージで室内サイクリングを始めます。そしてその毎日1〜2時間のエクササイズの間、以前は時間がないと思っていたファイナンスやウェルスマネジメントのポッドキャストに没頭しているのです。この時間の活用によって債務管理、複利貯蓄、富の創造のための戦略を学んだことで、これらは新たに彼のニーズとなっていきました。
成長が彼の大きな原動力であることに変わりはありませんが、エンジニアリングマネージャーになることは今の最大の目標ではなくなりました。今の彼は金銭的なニーズが主な動機となっており、それを満たすことができる新しい役割を探しています。もはや高い基本給や肩書きを優先することはなく、次の雇用主には強力な株式オプションを求めています。新興企業であれば会社の0.5〜1%の所有権、または入社時に基本報酬の600%以上をストックオプションとして獲得し、4年で権利が確定することを想定しています。上場企業であれば、入社時に基本報酬の100%以上のストックオプションを期待し、これも4年で権利が確定することを想定しています。
⑵チームの働き方を変えたシアナの場合
シアナは、ブティック型コンサルティングビジネスのマネージングディレクターで、これまでは「常にオンの状態」で業務を行っていました。パンデミック以前は競争性が収益性の高いビジネスを構築する上での大きなモチベーションとなり、会社の収益の創出において常に先頭に立っていました。
しかし今回のロックダウンで彼女は、社会的な関係性(社交性)が自分の幸福にとっていかに重要であるかを知ることになりました。オフィスが閉鎖されチームは自宅で仕事をすることになったため、シアナはこれを機会にテレワークで仕事をしながら中東に行って友人の家に数ヶ月滞在することにしました。温暖な気候と緩和された規制のおかげで彼女は社交の場で生き生きと過ごすことができ、ブランドの再構築や新しい市場の開拓などビジネスのための新しい革新的な戦略を練ることができました。さらにこの期間中に社員数を30%以上増やすことにも成功したのです。この結果シアナは自分のビジネスをどのように運営していくかについて、新たな視点を得ることもできました。現在はテレワーク優先で、オフィスを利用するかどうかを選択しています。彼女は今後も毎年数ヶ月は海外で過ごすつもりだそうです。
価値観を可視化し測定することでチーム内の変化に気づくことができる
テレワークでは顔を合わせる機会が少ないため、リーダーがチーム内の価値観の変化を見極めるのは非常に難しくなっています。例えばブルーノの場合、彼の上司は彼が新たに気づいた金銭的ニーズが満たされていないために退職を考えていることを、どうやって知ることができるでしょうか?同様にシアナの場合は?彼女はチームの各メンバーが新しい働き方を心地よく受け入れ、調和していることをどうやって確認できるでしょうか?
これらは最終的には、それぞれの環境における真のコミュニケーションのレベル、つまり心理的な安全性によって決まります。そしてこれこそがAttunedの真価が発揮される場面です。
人々の目に見えない価値観を可視化するだけでなく測定・追跡可能にすることで、マネージャーはチーム内のモチベーションのギャップを特定し、潜在的な経営上の盲点を浮き彫りにして確認することができます。これによりマネージャーはチームとの対話を始め、心理的に安全な環境を醸成するために必要な、チームに対する深いレベルの理解を得ることができるのです。
さらに日々のマネジメントや長期的な戦略に簡単に組み込むことができる具体的な推奨アクションを組み合わせることで、リーダーはチームメンバーがパフォーマンスを発揮するための能力とモチベーションを維持し、さらにそれが損なわれた場合には介入することができます。
もし今チームメンバーを失ったとしたら?
労働市場は持ち直し、一部の業界では給与が2019年よりも高くなっているという事実は採用に携わっていない人でも知っていることでしょう。多くの場所で移民の数が2008年の金融危機以来最も少なくなっているという事実と相まって、多くの経営者にとって人材確保は今や重要な課題となっています。
例えばあなたがエンジニアリングマネージャーだとしましょう。あまり良い想像ではありませんが、チームメンバーを競合他社に奪われた場合、同様のスキルセットを持つ人材を獲得するためにより高い給与パッケージの予算を組む必要があるだけでなく、約8週間に及ぶ採用までの時間も考慮する必要があります。ブルーノの場合、製品のリリース目標を達成するためには、少なくとも200時間の開発時間をどこかから調達しなければなりません。もしかすると、一人では済まないかもしれません。
結論としては、最初の質問(新型コロナウイルスの流行によってチームの価値観が変わったかをどうやって知ることができるか)に戻ると、「これらの価値観を測定して追跡するための定期的なステップを取り入れない限り、おそらく求める答えを得ることはできない」ということが答えになりそうです。
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