「価値観の違い」を組織の強みに変える方法とは?
初めてAttunedのモチベーション・アセスメントを受けたとき、私はそれほど驚きませんでした。
1位はファイナンス?2位がステータス?? まさに「目から鱗」です。
これらの結果を見ながら、私は文化に対して、非常に偏った見方をしていたことに気がつきました。
競争性や利他性といった私にとって重要ないくつかの要素は、同僚たちにとっても重要なものであり共有もされていますが、他のいくつかの要素については完全に盲点だったのです。
しかしそれ自体は大した問題ではありません。
全員が同じ動機で動く組織を期待することはできませんし、望むこともできないでしょう。
しかしリーダー、マネージャー、あるいは影響力のあるチームメンバーとして、私にとってデフォルトになっている考え方が、チームのにとって重要なアイデアを完全に見逃していたとしたら、それは結果的に摩擦を生むことになります。
最近のブログでは同僚とのコミュニケーションを改善する方法や、1on1における心理的安全性を高める方法についてご紹介してきましたが、ここでは少し視点を変えて、自分自身の盲点を認識し、克服する方法について考えてみましょう。
ここでは、衝突の原因となりやすい4つのモチベーターを例にとって説明します。「合理性」「安全性」「自律性」「フィードバック」です。
モチベーションに良い悪いはありませんので、モチベーションが低い、あるいは中立だからといって、その特性を必要とする仕事に向いていないわけではないことに注意してください。
対立を生みやすいモチベーター
合理性
モチベーターについて、「低い」ことと「ない」ことはイコールではないことを覚えておくことは非常に重要です。
私のモチベーターとしての合理性の数値は低いですが、きっと同僚は私が非常に合理的な方法で問題に取り組んでいると主張するでしょう。
この現象の解釈は2つあります。
1つは高い合理性の環境に慣れており、その必要性を感じていない場合です。もうひとつは、混沌の中から秩序を生み出すことを私が心地よく感じているというものです。
どんな理由であれ、ビジネスにおけるほとんどの決断は感情とは対照的に合理的に行われるべきものであることは、多くの人に共有できるところでしょう。
合理性への欲求が弱いチームを持つ、合理性への欲求が強いマネージャーへ
説明しすぎないようにしましょう。意思決定に至るまでに、自分の根拠を説明する必要性を感じるかもしれませんが、説明はシンプルでわかりやすいことが一番です。
議論、討論、データに基づいて意思決定をすることに慣れてもらうために、合理性の文化を構築しましょう。
議論を支配してはいけません。他の人が考えをまとめるのに時間がかかるかもしれませんし、その思考の後発言してもらうための余地を残しておく必要があります。
合理性への欲求が強いチームを持つ、合理性への欲求が弱いマネージャーへ
チームのメンバーは、あなたがどのように考えて決断したのかを知りたがっている可能性があります。あなたが十分だと思っているよりも少し余分に説明をするようにしましょう。
ディスカッションで、思考の背景を問う回数を増やしてみましょう。そうすることで相手はあなたの思考プロセスを説明し、あなたも相手の考えを理解する時間を持つことができます。
チームの合理性ニーズの高さを利用して、あなたが楽しんで取り組めないような複雑なプロジェクトは、思い切って任せるようにしましょう。
安全性
安全性は、大雑把に言うとすれば「守るべきルールやプロセスが決まっていること」です。あなたは旅行の前に、毎日何をするのか計画を立てるタイプでしょうか。もしそうなら、おそらくあなたにとって安全性は必要なものです。
仕事においては、明確な境界線と期待される結果をもたらす明確な目標の中で働くのが最も快適でしょう。しかし私のように自分で勝手に決めてしまい、あなたをイライラさせる人がいます。そして私は、あなたの柔軟性のなさにイライラします。これでは、お互いにやる気をなくす一方です。
しかし物は使いようで、もし私があなたの会社の経理担当者なら、おそらく私が規則を破って遊ぶことは望まないでしょう。一方、明確な成果のない新しいプロジェクトに取り組む場合は、私の奔放さも様子を見ながら進めれば役に立つかもしれません。
リーダーとして、まず自分のセキュリティへの欲求の高低が、自分の意思決定やチーム内の人にどのような影響を与えるかを理解する必要があります。
安全性への欲求が弱いチームを持つ、安全性への欲求が強いリーダーへ
物事を軌道に乗せるために最低限の規則を設けてもいいが、過剰な管理をしないように気をつけること
チームメンバーには、プロセスの改善点を提案するよう促し、また作業の妨げになっている事柄について話し合う場を提供します
やむを得ず厳格なプロセスを採用する場合は、その重要性を十分に理解してもらえるように努めること
安全性への欲求が強いチームを持つ、安全性の欲求が弱いリーダーへ
あなたは具体的な指示を必要としなくても、チームはそれを望んでいることを覚えておいてください
チームのモチベーションをうまく利用し、チームのパフォーマンスや効率を上げるためのガイドラインの候補を、メンバーと一緒にブレインストーミングするのもいいかもしれません
自分の「道なき道」精神をオープンにすることで透明性を保ち、チームが何をすべきなのかが不明確な場合は、積極的に発言してもらうように促しましょう
自律性
セキュリティと似ているところがありますが、自律性は自分自身で決断する能力です。自律性を与えることはコントロールを失うことではありませんが、人によってはより積極的に自律性を求める人もいます。
先ほどの例で言えば、自律性が高い人は、ルール(セキュリティ)や望ましい結果を知りたがりますが、そのルールが自分の仕事や意思決定の妨げになるなら、嬉しくはないでしょう。自律性が高い人は、いつも流れに身を任せているように見える人とは対照的に、反抗的なタイプに見えるかもしれません。
自律性への欲求が弱いチームを持つ、自律性への欲求が強いリーダーへ
必要であれば指示を出すことを恐れてはいけません。チームメンバーはあなたが思うほど気にしないでしょうし、むしろあなたが決めるべきことを彼ら任せにしていることを不快に思うかもしれません。
何をしたいのか、何を期待しているのかを具体的に伝えましょう。
自分のための時間や空間(ノーミーティングデーやGSDタイム)と、より手を動かすことができるチームのためだけの時間を作りましょう。
自律性への欲求が強いチームを持つ、自律性への欲求が弱いリーダーへ
結果にフォーカスし、そこまでの道筋はチームが自ら見つけることができると信じてください。
1on1ではコーチに徹したくさん質問をしましょう。指示するのではなく、導くのです。
チームミーティングは、プロジェクトについて話し合うだけでなく、他のモチベーターについて確認する機会だと考えてください。進捗状況を常に確認する必要がないように、1週間を通じて報告プロセスを明確にしておくことが必要です。
フィードバック
フィードバックは最も理解されやすい動機づけですが、そのニュアンスを見逃しがちです。例えば、フィードバックに対するニーズが高いからといって、必ずしも建設的であるか否かを問わず批判を評価するとは限りません。またリーダーであれば相手が好むと好まざるとにかかわらず、フィードバックをしなければならない場合もあります。フィードバックへの欲求が高い人は、フィードバックをしたいという欲求や、チーム内で発言権を持ちたいという欲求が反映されていることもあり、そのパターンは様々です。
フィードバックへの欲求が弱いチームを持つ、フィードバックへの欲求が強いリーダーへ
フィードバックのタイミングを選び、そこに集中する。常に繰り返されるフィードバックは、熟考の末のフィードバックに比べるとその効果は低くなります。
チームからフィードバックを求めるか、フィードバックプロセスを形式化した360°スタイルのレビューの導入を検討する。
フィードバックとは別に、ステータスや競争心といった他の動機付けもアピールすることになるので、ポジティブな強化が必要です。
フィードバックへの欲求が強いチームを持つ、フィードバックへの欲求が弱いリーダーへ
1on1やチームミーティングでフィードバックをする余地を残し、オープンな意見交換を奨励する。
ノーよりもイエスと言う回数を増やし、自分の意見を聞いてもらえたと実感できるような空気を作る。
聞く、考える、話す。この順番で、常に。これは一般的に素晴らしいアドバイスですが、フィードバックに関しては、十分な注意を払い、適切に考える前に却下しないことが重要です。
コミュニケーションの盲点に光を当てる
Attunedは、管理職のブラインドスポットを可視化することで、ゲームを変えました。今や問題を認識したら、すぐにその対策に取り掛かることができるのです。ここでは、最も一般的な問題と解決策をいくつか紹介しましたが、あなたの組織に特有の問題は数え切れないほどあるでしょう。
私はというと、ステータスやファイナンスのニーズに関するコミュニケーションを改善する必要がありました。あくまで後天的であり永遠に未完成ですが、それらを常に念頭に置くように自分の考え方を変えていくことを学んでいます。
自分を変えることはできませんが(少なくとも私は変えたくもありませんが)、リーダーシップとコミュニケーションを向上させる能力は誰もが持っていて、すぐに取り掛かることができるのです。