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【セミナーレポート】“関係の質”が高い企業文化づくりのための1on1とリーダーシップ

2022年5月31日に開催しました『【Next Genリーダーが“心”と“価値観”を大切にする理由とは?】第3回 “関係の質”が高い企業文化づくりのための1on1とリーダーシップ』のセミナーの様子をレポートしていきます。

ヤフー株式会社で1on1ミーティングの浸透を人事の立場で主導し、 現在は1on1ミーティングの導入コンサルティングや研修を手がけている堀井耕策氏に登壇いただき、「1on1ミーティングでのコミュニケーションの質を上げるには?」「“関係の質”の高い企業文化をつくるには?」という疑問にお答えいただきました。

【Next Genリーダーが“心”と“価値観”を大切にする理由とは?】シリーズ最終回は、これまで3回のセミナーゲストが一気登壇。リーダーシップ育成の専門家らに次世代のリーダーシップ人材の育成に必要な観点をお伺いしていきます。お申し込みはこちらから。

「1on1ミーティング」と「面談」の違いを理解できていますか?

1on1ミーティングの目的がこれまで実施していた面談と差別化できていいないということはありませんか?面談という言葉には、上司から部下へ評価結果の伝達の場といういイメージがあるかと思います。部下からすると毎回面談のようなものをセットされてしまうと、心理的負担が大きくなってしまいます。

1on1ミーティングは、部下の成長や目標達成を支援するための対話の場ですから、その目的を毎回しっかり伝達した上で1on1ミーティングの場をセッティングするのが良いでしょう。

1on1ミーティングを効果的にするためには?

1on1ミーティングの目的をしっかり共有した次に考えるべきことは何でしょう。

「関係の質」が大事なキーワードになってくると思います。1on1ミーティングなどで上司の方は部下に対して「これ常識でしょ?」「前にも言ったよね?」 「自分でちゃんと考えた?」などの発言をしていないでしょうか。

このような会話に心当たりがあるようなら、お互いの価値観や結果に対する期待値にズレが生じている可能性が非常に高いです。メンバーがどんな価値観を持ち、解釈をする人なのかを適切に理解することがとても重要で「関係の質」を高めるポイントとなります。

メンバーの価値観・解釈を理解する

仕事に対して大事にしている価値観をチーム内で共有するのが良いと思います。成果、スピード、信頼関係、チームワークなど様々な言葉が出てきます。これをチーム内で共有しておくことで、お互いの価値観の理解ができ、認識のズレによる負担は軽減されるのではないでしょうか。

実際に私自身の体験としてこんなことがありました。チーム会議でいつも批判的な発言をする部下Aさんに対して、上司である私自身もなぜいつも批判ばかりなのかとイライラしてしまったことがありました。そこで部下Aさんはなぜそのような発言をしているのかの背景を聞き出そうと思いました。

すると、部下Aさんは「僕は批判していない。」と言いました。部下Aさんは「やるからには成果を出したい」という価値観のもと、チーム会議で出たアイデアに対して足りない部分を指摘しているに過ぎなかったのです。この価値観を理解できてからは、チーム会議での部下Aさんの立ち振る舞いに納得することができました。

またこの価値観の理解によって、部下Aさんはより良い成果のためなら抜け漏れなどにもよく気が付くタイプだと分かったので、チーム会議の前に資料や案に抜け漏れがないか目を通してもらうような業務を与えることも、部下Aさんにとってモチベーション高く仕事に取り組めるのだと知ることができました。

ケイシー・飯田との対談

今回のゲストの堀井耕策氏(以下敬称略)のお話を受けて、Attuned代表のケイシー・ウォール、事業責任者の飯田蔵人を交えてのディスカッションの様子です。

飯田)私がまさに部下Aさんそのものでした。(笑) 私自身も新人の時からガンガン発言をしていて、周囲からネガティブに捉えられることも多かった。しかし決して批判しているつもりはなく、疑問に感じたことや不足していると思うことは言わなければいけないと思って発言をしていました。逆にその後、私が管理職(上司)の立場になってみて、部下に対して「こうじゃない?ああじゃない?」と言っていると、それを部下は叱責されていると捉えてしまうということがありました。

本人がいる目の前で言うのも何ですが、今は、Attuned代表のケイシーが私の上司にあたるわけですが、非常に良い関係性だなと思っています。

ケイシー)具体的にどう良いのか聞いてみたいです。(笑)

飯田)ケイシーは私の話を正面から受け止めてくれて、信頼も持てています。なのでケイシーとの1on1を苦痛に感じたことが一度もありません。

ケイシー)今までどれくらい1on1ミーティングをやってきたか数えてみたら3500時間ぐらいやっていて、おそらくその中でやり方やコツを掴めてきているのかもしれません。ただ感情のコントロールが今でも難しいと感じます。上司として部下との価値観の違いは認識していても、やはり結果が欲しいと感情的になってしまうこともあります。どうやったらコントロールできると思いますか?

堀井)先ほどの例で言うと、僕は部下Aさんがなぜそのような発言をしたのかを知るようにしました。人の行動には必ず理由があるはずです。1on1でよくあるのが、部下から「特に何もありません。」と言われることですが、それにも何か理由があるのです。常に相手がどんな理由を持って発言や行動をしているのかを念頭に置いています。

ケイシー)なるほどです。1on1において部下が話したいにしろ話したくないにしろ、どんな質問や会話を投げかけるべきかという問題もあると思うのですが、事前にしっかり質問を準備しておいた方が良いなどあるのでしょうか?

堀井)書籍『ヤフーの1on1』でも有名な、僕の元上司である本間浩輔氏と1on1する時は、毎回必ず「今日何話す?」と聞かれます。なので必ず事前に何を話そうかについて考える癖が自然と付いていきました。ただなかなか新卒の子だったりはそこが難しいと思うので、テーマは決めてあげるなどの工夫はあると良いと思います。

これも1on1のあるあるとして、上司が一方的にアドバイスやティーチングをしてしまう事象があります。アドバイスやティーチングをすることだけが、人材育成ではないので、部下からうまく話を引き出すこと「傾聴力」「質問力」も必要なのです。

ケイシー)上司の質問力をひとつのスキルとして点数化することも必要になってきたりするのですかね?

飯田)自身の1on1ミーティングにおける質問の仕方などについてフィードバックを受ける機会というのはあってもいいかもしれませんね。しかし上司からすると1on1ミーティングをする度に、部下から評価されるのはプレッシャーにもなりますが、(笑) 

堀井)研修をさせていただく機会も多いですが、ただ理論を習うだけではなく、ロールプレイなどを通して実際にやってみて、自分の質問の仕方についてフィードバックを受ける、または他者の質問の仕方を客観的に学んでみることも大事かもしれません。上司側の高い質問力も重要な一方で、部下・メンバー側の「自己内省力」も同時に大事です。この双方がベースにあって、対話を重ねることで、はじめて質の高い1on1ミーティングの時間を過ごすことができるんだなと。上司の力だけでは1on1ミーティングは成立しないなと最近つくづく感じます。

『Attunedモチベーター活用ハンドブック』を活かす

『Attunedモチベーター活用ハンドブック』は、5月にリリースしたばかりのモチベーション可視化サービスAttunedの活用方法をまとめたもので、日々のコミュニケーションにそのまま活かすことができる実用性の高い1冊となっております。

飯田 質問力をスキルとして点数化することは難しいですが、『Attunedモチベーター活用ハンドブック』を活かしていただくことで、質問力を向上させることができます。

例えば「フィードバック」というモチベーターを必須とするメンバーには、「最近フィードバックは十分にもらえていますか?」と質問してみましょう。もらえていると回答があれば「他に困っていることはありませんか?」と聞いてみるのも良いでしょう。一方で十分にもらえていないと回答があれば「申し訳ないです。今フィードバックが欲しいのは何についてですか?」や「周囲のメンバーからフィードバックをもらえない原因は何だろう、一緒に考えてみよう。」など、そこから対話を重ね、メンバーの成長や仕事のやりがいの支援に努めることができるのではないでしょうか。

逆に「フィードバック」が必須のモチベーターでないメンバーに同じ質問をしても、そのメンバーにそのメンバーにとってはあまり効果的な質問ではありません。かえって上司は私のことをあまり理解していないのではと思われてしまいかねません。

Attunedのお客様にお配りしている、『Attunedモチベーター活用ハンドブック』では、11種類のモチベーターごとに、特徴に寄り添った効果的な声かけや施策について細かくご紹介しています。上司の1on1力があがります。ぜひ1on1ミーティングやコミュニケーションにおける質問力の向上に活かしていただければとお思います。
貴社のAttuned担当までお問い合わせください。

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