モチベーションとは何か?改訂版ホワイトペーパーがリリースされました

モチベーションとは何か?改訂版ホワイトペーパーがリリースされました

この秋、私たちは約2年前に発行したホワイトペーパー「モチベーションを高める動機づけの最前線」をより読みやすく、コンテンツとデザインをアップデートした改訂版を発行しました。

本ブログではそのポイントを抜粋してお伝えしています。詳細の気になる方は以下のページからホワイトペーパーをダウンロードしてご覧ください。

モチベーションとは何でしょうか?「やる気」の正体を解き明かし、職場で使えるノウハウを学べます。


 
 

アメとムチは本当に効果的なのか?

外発的動機づけ要因は、パフォーマンスを高める効率的な鍵であると一般的には考えられてきました。

しかし本当にそうでしょうか?

内発的動機づけに関する研究は、長い間自明だとされていたこれらの考え方に疑問を投げかけます。

過去 50 年間にわたる動機づけ研究は、様々な状況、特に創造性や想像力を必要とする状況では、外発的動機づけが、良い効果よりむしろ有害な影響を与える可能性があることを明らかにしました。

ホワイトペーパー内では、実際にこれらを検証した、代表的な研究についてご紹介しています。

 
 

* Mark Lepper, David Greene and Richard Nisbett “Undermining Children’ s Intrinsic Interest with Extrinsic Reward: A Test of the ‘Overjustification’ Hypothesis” 1973 

* Teresa M. Amabile(1982) “Children’ s Artistic Creativity: Detrimental Effects of Competition in a Field Setting” 

外発的動機づけを効果的に活用する

しかしだからと言って、外発的動機を単に悪者であると結論づけるのは早急すぎるでしょう。

 前述した 40 年間のメタ分析は、反復性の高い仕事には、外部報酬による動機づけが効果の高いインセンティブとして機能することを明らかにしています。

内発的動機づけ

内発的動機づけは、外発的要因によるものではなく、自分が興味を持ったり、楽しんだりしているからこそ、課題や活動を遂行しようとする意欲と定義されることが多く、個人の世界観や好みと強く関連しています。

 1987年に発表された教育環境におけるモチベーションに関する有名な 研究『学習を楽しくする:学習の本質的な動機の分類 *』で、トーマス・ マローンとマーク・リッパーはこう説明しました。

「人は外部から報酬または賞罰を受けるためではなく、自分のためにそれに取り組みます。楽しい、面白い、魅惑的、楽しい、そして内発的動機づけという言葉は入れ替えて理解することが可能です」。

また内発的動機は、個人の創造性と粘り強さ、そして組織の成果に直結する「役割を超えたパフォーマンス」としても現れます。

 
 


組織とフィットすることの重要性

ヴァン・ディック教授は、人の内発的動機づけ以上に重要なものがあるとすれば、それは組織への適合度、つまり個人的および専門的な価値観が、働いている会社の価値観とどれだけ一致しているかということだと言います。

「私が自律性を、つまり自分で決定して働くことを重んじている場合、その自律性を提供してくれる会社の方が幸せになれるでしょう」

 「自分と同じ価値観を大切にしている組織に巡り会えて、 その組織で働くことができたとしたら、それは長期的に人々を幸せにする、 最もいい方法ではないでしょうか」

この概念は、企業の格付けと求人サイトを運営する Glassdoor の最近のレポートにも反映されており、応募者は企業の価値観や文化が重要だと考えていることがわかります。『人事と採用の統計 2020*』によると、求職者の 79% は応募前に企業のミッションを検討し、73% は企業の価値観が 自分の価値観と一致しないと判断した場合、その企業に応募しないと答えています。

 
 


モチベーションを理解することが重要な理由

2001 年から 2004 年にかけて、ニューヨークを拠点とする経営コンサル ティング会社シロタ・サーベイ・インテリジェンス社は、フォーチュン 1000 企業 50 社以上の120 万人の従業員を対象に、グローバルで大規模な調査を実施しました。調査対象となった企業の85% では、入社後 6 ヶ月以内に従業員のモチベーションが急激に低下していることが明らかになりました。

 これらの企業は何を間違ったのでしょうか?

知的で高いモチベーション を持った社員が、自分の役割に意欲的でなくなってしまった理由は何でしょうか? その答えはほぼ間違いなくマネジメントの失敗であり、さらに 言えば個人レベルだけでなく、制度レベルでのマネジメントの失敗でもあります。

 トーマス・シャモロ・プレムジとルイス・ガラードによる 2017 年の記 事「部下のモチベーションを上げたいなら、あなたの本能を信頼すること はやめよう *」(ハーバード・ビジネス・レビュー)にあるように、「多くの マネージャーが自分の役割を激励会や感動的なスピーチ、ピザパーティー を開催して人々のモチベーションを上げることだと考えている。一方で、 現実に、リーダーがモチベーションを上げるための最善の方法とは、仕事をうまく設計し、適切な役割に人を配置することだ」と述べています。

Covid-19 の影響

2020 年から始まった Covid-19 パンデミックは、生活のあらゆる面に顕著な影響を与え、人々のモチベーションにも影響を与えました。Attuned のデータによると、Covid-19 の発生前後で回答者全体のデータを比較すると、11 のモチベーターのうち 4つのモチベーターの重要性が、統計的に有意に上昇しています。  合理性が最大の増加(10.58%増)を記録し、次いで安全性(7.85%増)、 フィードバック(7.09%増)、自律性(4.81%増)となりました。+/-2.61% 以上の変化を示した他のモチベーターはありません。



 
 

マインドフルネスとモチベーション

モチベーションの理解は自己認識の一種であることを考えると、現在の自分や他人の思考や感情に気づき調整するという、マインドフルネスの概念と大きく重なる部分があります。

 精神科・心療内科医であり、鎌倉の禅寺・林香寺・19代目の住職で ある川野 泰周さんは、仏教の教えと学術的な研究に等しく取り組まれ ています。それらの知識をもとに、マインドフルネスを実践することと、 Attuned のプラットフォームを通じて内発的なモチベーターを知ることの効果の類似性について説明してくださいました。

「Attuned は、人が大切にしている価値観やモチベーションの源泉を特定する科学的根拠に基づいたモチベーション調査です。同時に、組織のメンバー同士でこれらの価値観を共有し、理解し合うことを促します。これは、 気づきと受容を重視するマインドフルネスと共通しています。『知性と感性の両方を大切にし、今を生きる人を生かす』というアプローチは、マイ ンドフルネスにも通じるものがあると感じています」

動機づけの最適解

結局、私たちはどのように外的動機づけと内発的動機づけを使い分ければいいのか?

そのヒントはぜひホワイトペーパーをダウンロードしてご確認ください!