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未来をつくるリーダーが知っておきたい、半歩先のD&Iとオーセンティックリーダーシップ

今回は【Next Genリーダーが“心”と“価値観”を大切にする理由とは?】全4回シリーズの第2回【未来をつくるリーダーが知っておきたい、半歩先のD&Iとオーセンティックリーダーシップ】セミナーについてレポートしていきます。

人が担う仕事には、創造性と協調性がますます求められるようにー10年後、約半数の仕事はAIに置き換えられるとの調査結果がありますが、これに対し置き換え不能な人材の条件とは「創造性と協調性」を発揮できることと言われています。つまり、次世代のリーダーシップには、人材の力をさまざまな方向に引き出し多様性を創出しながら、自律的に働いてもらうために支援することが求められています。

Attunedが4回にわたって開催する本セミナーでは、【Next Genリーダーシップを考える】を共通のテーマとして、人事・マネジメントの世界で重要視されているキーワードを毎回掲げ、各界の第一人者を招聘し、Attuned創業者のケイシー・ウォールとともに考えていきます。

第2回目の本セミナーでは、企業でDEI(Diversity: 多様性、Equity: 公平性、Inclusion: インクルージョン)推進アドバイザーや女性リーダー研修などをつとめる川嶋 治子さんをお迎えし、今日本企業が取り組んでいるD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の半歩先にあるものについて伺っていきます。

D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)は経営戦略

D&Iは日頃から耳にする機会や所属先の企業でも積極的に取り組まれているところが多いと思いますが、いったい何のためにD&Iを推進していく必要があるのでしょうか?女性やマイノリティのためでしょうか?

その答えは企業はD&Iを推進することで企業価値を向上させることができるからです。グローバル化の進む今日では多様性が未来を創り、同質性の中からイノベーションは生まれないのです。D&Iは企業の競争力の源泉、優秀人材の獲得、ESG投資のような観点からビジネスを行う上で前提条件となってきているのです。

つまり、D&Iは経営戦略として認識し、企業は組織として積極的に取り組んでいかなければならないのです。

D&Iが担う3つの領域

1 イノベーション

イノベーションは企業の価値を直接向上させるものであり、多様な知の結合によってイノベーションにつながります。極力、自分とは考え方、価値観やバックグラウンドが違う人と関わることで、化学反応が生まれます。ダイバシティ(多様性)は当然必要なのですが、インクルージョン(受容)の考え方を同時に持たなければ、実際にイノベーションにはつながらないのです。

2 リスク管理

現代では、倫理観と透明性の高さがあるかないかをエンドユーザー、ステークホールダーはみています。先日の吉野家の常務取締役が社会人向けのマーケティング講座においての不適切発言から即日解雇となった事例やロシアのウクライナ侵攻に対してのAppleとユニクロでの対応の違いからわかるように今まで以上に「倫理観」に対する企業の姿勢が見られているのです。

3 社員全員が働きやすい環境づくり

D&Iでは多様な社員がいる組織の中で、全ての人が働き続けやすい環境を作ることも担っています。このような環境では、社員のエンゲージメントやロイヤリティ向上につながり、採用に好影響をもたらし、離職率の低下にもつながるのです。

オーセンティックリーダーシップとD&I

ハーバードビジネススクールは2008年のリーマンショックをきっかけに、経済合理性を最優先してきていたリーダーの育て方を一転させ、より多くの人に公益性の高いリーダーシップを発揮する人材を育てることを重視するようになりました。

その結果、自分の心の中の良心に基づいて倫理観に基づいた意思決定ができるリーダーを育てようとオーセンティックリーダーシップを定義しました。オーセンティックリーダーシップでは360度自分の弱さを受け入れる人間らしいリーダーが理想とされています。これは自己受容につながり、自分以外の人たちも自分と同じようにリスペクトし受容するという点でD&Iと密接に関わってくるのです。

川嶋 治子氏とケイシー・ウォールの対談

ケイシー 勝手な思いなんですが、外国人の目線からいうと、ここ5年で日本ではD&Iが進んできているように思います。

川嶋 とっても進んでいます。5年前や10年前を思い出すと、女性リーダー育成やダイバーシティの重要性が理解されない時がしばしばありました。そこから比較すると、日本国内で女性活躍推進法ができたり、D&Iの意味を知っている人も多くなって、企業によって温度感はまちまちであるものの本気でD&Iに取り組む企業も増えています。

ケイシー 私も5年の目で見ると進んでると感じているんですけど、日頃から組織の中で良くなっているのはどのように感じますか?

川嶋 D&Iはそれこそ5年前は人に関わる政策として人事だけで取り組んでいる会社も多かったんですけど、企業の経営陣がD&Iを学びたいと経営戦略として取り入れるために、アドバイザーを求める時代になったのは大きな進歩だと感じます。

ケイシー 組織の中で人事から始まって経営陣にまでD&Iが浸透しているという話でしたが次に重要なのはどこでしょうか?

川嶋 次は一人ひとりくまなくという形ではないでしょうか。特に日本企業では経営陣が危機感を感じて本気で取り組んでいる会社が多いのですが、各部門の管理職や現場の方々と経営陣とのD&Iに関する知識量や経験の差が浮き彫りになっています。会社のなかで危機感や温度感が違うことが日本企業での課題となっています。全ての社員が同じ思いでD&Iを捉えることが日本国内での次のステップと思います。

質疑応答

Q.  DEIが大事なのはわかるのですが、DEIを推進しているメンバーが周りを受け入れずに自分が自分がとなることがあるのですが、彼らこそ周りを理解し、受け入れることが大事だと思うんですけどどうすれば良いでしょうか?

川嶋: 本当によくあることで、人事やDEIを推進するチームの方々をサポートしている立場からすると、DEI推進担当として、ものすごく孤軍奮闘をされている方が日本企業の中にもいらっしゃいます。先ほども申し上げた通り、DEIは組織自体の変革なので、経営として会社全体を変えていかなきゃいけない話なんです。DEIはビジネス環境の中で生き残る経営戦略として行っていき、DEIを進めていく方向に舵をきったのであれば、担当者も、各事業部も、自分たちも主体となる一人として、ともに取り組んでいこうという姿勢が大切だと思います。


Q. 表面的なダイバーシティではなくて、本質的なダイバーシティをつくるためにはどうすれば良いでしょうか?

川嶋:まず、日本ではそもそもの同質性が高すぎる組織というのが問題なので、外側から見てわかりやすいデモクラフィックダイバーシティから始めようという段階です。本当の意味のダイバーシティを実現するためには、個人の価値観やバックグラウンドのダイバーシティを測っていくことが必要で、そこはAttunedを活用できるのではないでしょうか。

Casey: 一人ひとりのモチベーションの源泉や価値観だって違ってきますし、その多様性があるから会社は強くなると思います。しかし、人の価値観は可視化することができません。その価値観を可視化するツールこそがAttunedなのかなと思います。

この後も講演参加者との質疑応答などもあり、D&I戦略やオーセンティック・リーダーシップなどについてディスカッションが行われました。そして、【Next Genリーダーが“心”と“価値観”を大切にする理由とは?】全4回シリーズの第3回の開催も決定しております。

ヤフー株式会社で1on1ミーティングの浸透を人事の立場で主導されてこられ、 現在は社外にでて1on1ミーティングの導入コンサルティングや研修を手がけていらっしゃいます、堀井 耕策氏さんをお招きし、『“関係の質”が高い企業文化づくりのための「1on1 MTG」と「リーダーシップ」』と称して「1on1ミーティングでのコミュニケーションの質を上げるには?」「いわゆる“関係の質”の高い企業文化をつくるには?」といった疑問に答えていきます!

第2回にご参加いただけなかった方でも、第3回にご興味ありましたらこちらよりお申し込みください!

第3回の開催日時は2022年5月31日 午後2時〜3時です。

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