【米HRカンファレンスレポート】デジタルツールを活用して従業員の体験をリデザインする
数ある職場での課題の中で、一体どれにデジタルツールをあてがうのが最適なのか。そしてそれらのツールはどのようにすれば最も効果的に導入できるのか?
4月21日に開催された米国最大のHR関連カンファレンスのひとつFrom Day Oneのバーチャルカンファレンス「Tools for Building an Engaged, Productive Team(生産性とエンゲージメントの高いチームを作るためのツール)」では、「Using Digital Tools to Redesign the Employee Experience(デジタルツールを活用して従業員の体験をリデザインする)」と題したディスカッションが行われました。他のパネリストたちと同様、Attunedの製品責任者である私もこの2つの質問に真剣に向き合いました
登壇者のバックグラウンドを考えれば、明るくタイムリーで、幅広い内容のディスカッションになったのは当然のことでしょう。アプリケーション・セキュリティのスペシャリストであるF5の副社長、ケイト・ジンバーグ氏は、従業員のウェルビーイングとメンタルヘルスの重要性について説明しました。F5では、バーチャルでのメンタルヘルス・セーフティ・トレーニングや全社的な瞑想クラスなどのサービスを導入して従業員をサポートしています。また、MiroやLucidsparkなどのバーチャルホワイトボードツールや、Donutなどのコーヒーチャットを模したアプリケーションなど、チームのつながりや生産性を向上させるために新しいテクノロジーをどのように活用しているかについても語りました。
Ovia Health社の共同設立者であり、最高製品責任者であるジーナ・ネベサール氏は、社会復帰を控えた多くの親たち、特にパンデミックの際に複数の危機に見舞われた働く母親たちについて語りました。ジーナは、このような状況に対処するため、Ovia社内においてライセンスを持つ専門家による1対1のバーチャル・ヘルス・コーチング、小児の睡眠コーチング、行動健康サポート、デジタル・マネージャー・トレーニングなどの一連のツールやサービスを提供し、働く親や妊娠中の親をサポートしていることを説明しました。さらに就業規則を変更し、リモートワークを無期限に延長するとともに、ハイブリッドモデルを採用して、子を持つ親たちをさらにサポートすることにしました。
一方、アプライド マテリアルズのタレント・組織開発担当シニアディレクター、マイク・ヒル氏は、24,000人の従業員のコネクティビティと生産性を高めるために、アウトソースのテクノロジーを含む独自の社内プラットフォームをどのように、そしてなぜ構築しているのかについて、素晴らしい説明をしてくれました。
また、バイオ医薬品メーカーBristol-Myers Squibb社のHR-Global Product Development & Supply VPであるChantal Veillon-Berteloot氏は、リモートワークへの移行によって得られる重要なメリットとして、社内のプロジェクトチームを編成する場面に新たな風が吹き込んだこと。パンデミック前は、そのようなチームは非常にローカルなものでしたが、今ではあらゆる場所からスキルを集めることができるようになり、会社は新たな方法で従業員を活用できるようになりました。
パネルディスカッションでは、パンデミック以前からオンラインでの仕事が多かった従業員と現在「ズーム疲れ」に直面している従業員、「オフライン」での仕事を持つ従業員との間の断絶についても議論が交わされました。対面での交流がなくなったことで、新しいタイプのインクルージョンの問題が発生し、多くの企業はそれをデジタルツールで解決しようとしています。
私自身はといえば、紛争解決のためにデジタルツールをどのように活用できるかという問題に特に関心を持っています。アチューンドでは、職場での人と人との摩擦の多くは、価値観の違いというか、モチベーションの違いからくるものだと考えています。例えば、ヘルプデスクのスタッフは、1日に処理するリクエストの数など、達成すべきKPIを持っていると思います。競争性を強く持つ人はそのKPI に対するモチベーションを高く持ち続けられるかもしれませんが、利他性に駆られている人にとってはお客様が必要なサポートを受けられるように30分延長して対応することの方がはるかに大きな仕事の満足感を得られる方法かもしれません。このようなギャップを知ることでそれを克服する方法も明らかになり、チーム内での対立を防ぐことができるのです。
これが、Attunedのようなデジタルツールが仕事の世界にポジティブで変革的な貢献をすることができると私が信じる理由のひとつです。