「安全性」を満たすには構造と明確な見通しが不可欠
私は昔、語学教師のアシスタントをしていました。
それはとても素敵な仕事でした。子供たちとは主にゲームをしていましたが、みんなとても可愛かったし、仕事は単純でとても簡単。通勤時間はなんと5分でした。
しかし同時に私には大きな不満がありました。
その仕事を辞めてWahl+Caseに入社した1週間後、起業したプログラマーと話をする中で、日本で英語を教えていたという彼との共通点に気がつきました。ただその仕事について私が不満を言うと、彼は完全に反対したのです。
「ああ、最高だったよ。上司もいないしKPIもない。何をしてもいいんだから」と。
私は思わず笑ってしまいました。なぜならそれこそが私がその仕事を辞めた理由だったからです。
大学を卒業したばかりで英語教育の経験もない私が、長年の経験と資格を持った先生方のところに行って「授業で何をしたらいいですか」と尋ねたところ、「何でもいいですよ」と言われたことがあります。
「何でもいい 」とは?これは美術の授業ではないし、私は子どもたちの教育を担っているのに?「何でもいい」でいいはずがない!
パニックになった私は、インターネットでESLの記事やALTの日記を読み漁り、何か仕組みがないか探しました。そして、先生方に配布するレッスンプランを綿密に練り、何かあったときのためにバックアップのアクティビティを用意したのですが、ついに「何か」は起こりませんでした。私が準備した授業はいつも子供たちも私も楽しい時間を過ごすことができ、先生方からの苦情もありませんでした。それどころか私が1から10までの数字を教えるためにこれほどの準備をしたことに、多くの先生方が驚いていました。
しかし2年後、すべてのアクティビティを理解し、ラミネート加工されたフラッシュカードの印象的なコレクションを集めていたときでさえ、私は先生から「何でもいいよ」という言葉を聞くたび、やはりストレスを感じていました。
しかし私の安全性に対するスコアが85%と非常に高いことに気付いたとき、やっとそれまでの全てが理解できるようになりました。先生が私に期待していることへの明確な安全性がなければ、つまり明確な構造やルールがなければ私は何年やってもその仕事に満足できるはずがなかったのです
必要なのは、仕組みをつくるマネージャー
Wahl+Caseの面接では、知らず知らずのうちに「安全性」への思いを面接官に伝えていたことを覚えています。特に私は新しいことを学ぶときには手取り足取り教えてもらわなければならない人間だということを、それまでの自分の認識(大学時代のアルバイトや英語教師)をもとに話しました。
しかしそのうち、それは常にではなく、私はきちんとした体制を整え上司との理解を得られればすぐに答えが出ないことがあっても、より主体的により効率的に仕事をすることができると気づきます。このような仕組みがあれば、自分で判断して仕事を進めることができ結果的に自分と相手の時間を大幅に節約することができるのです。
私に必要だったのは、週の終わりまでに終えるべきことへの明確な期待値を設定し、それを達成するために必要なことがあれば相談に乗り、私が直面するかもしれないシナリオのためのルールを一緒に設定してくれる気遣いのできるマネージャーを持つことでした。これさえあれば大体うまくいくのです。私にとって、そんなマネージャーは、ALT時代の「何でもいいですよ」という善意の言葉以上に安心に値するものでした。
「安全性を大切にする」とは?
もしあなたが安全性に高いモチベーションを感じているのであれば、これらの欲求や感情のいくつか、またはすべてに共感できることでしょう。
KPIや進捗状況を追跡する方法があれば、自分が正しく仕事をしているかどうかを確認することができます。自律性の高い人の中には、KPIを窮屈に感じる人もいるかもしれませんが、安全性のスコアの高い人は一般的にKPIを重視します。
明確な指示と責任を与えてくれる人が必要です(自分が自分のボスであるように振る舞うことは、実際にはあまり好ましくないかもしれません。)
会議中に詳細なメモを取り、後で参考にするために文書化することを重視します。
一週間のスケジュールが決まっている方が好きで、そのリズムに頼ったり、心の準備をしたり、楽しみにしたりすることができます。特に動きの速い業界では、スケジュールを立ててそれを守ることで、急な用事が入っても柔軟に対応できる余裕を持つことができます。
決められた通りにやってくれないとイライラしますよね。今までやっていたことがうまくいかなければ、計画を変更しても構いませんが、その前に話し合ってみましょう。
「なんでもいいよ!」という言葉にイラッとしたり、不満・恐怖を感じたりします。私のように、その気持ちを理解できるようになったとしてもです。
安全性を尊重する際気をつけるべきこと
他の10個のモチベーターと同様に安全性への欲求も、気をつけていないと問題になるような形で現れることがあります。
明確な指示がないと、自分を批判してしまいます。もしあなたが何もしないまま迷っているとしたら、とにかく決断と行動をしてください。上司もきっと理解してくれるはずです。
計画を立てすぎてしまう。でも考えてみて、そして信じてみてください。小学1年生は45分で1から10までの数字を簡単に覚えられますし、プログラマーは助動詞を気にしません。緻密な計画を立てる必要があるものと、そうでないものを学びましょう。
ルールを守ろうとするあまり、クリエイティブな発想ができない。私は上司に「クリエイティブになれ!」と言われることがありますが、そうするといつも仕事はとてもうまくいくのです。
マネージャーはどのようにして
社員の安全性を高めることができるのか
もしあなたのチームに安全性の要求の高い人がいたら、その人の能力・モチベーションを最大限に引き出すためのヒントがあります。
例えそれが「何でもいい」というシナリオであっても、明確な指示を与えることです。このフレーズを使うのではなく、指標を簡潔に説明してみてください。例えば、「100語以内のメッセージを20通送信してください」のようにすると、簡潔でありながら、わかりやすくていいですね。
質問の余地を残す。同僚がどんな明確な質問をしてくるかを予想する必要はありませんが、彼らが何か質問してくることを心算しておきましょう。
文章にしてもらえますか? 安全性のレベルの高い社員はすでにメモを取っているかもしれませんが、話した内容をまとめたフォローアップメールを送ることで、お互いの認識を統一し、社員が後から確認の質問をしなくて済むようにします。
しっかりとした計画を立て、それを守ります。計画を変更する必要がある場合は、その理由を明確に説明します。たとえ簡単な会話であっても、予期せぬ事態に備えて計画を立てなければならないというストレスを軽減することができます。
もし、あなたがセキュリティニーズの高い人を管理したり、一緒に仕事をしたりしているのであれば、その人との関わり方をより明確にしたり、構造化したりしてみてはいかがでしょうか。そうすれば予期せぬ大きな変化が生まれるかもしれません。
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