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仕事へのモチベーションに世代間ギャップはあるのか?

〜独自のデータから見えてきた世代の傾向と考察〜

突然ですが、今のあなたの仕事を両親にうまく説明することができますか?

私は今、何の仕事をしているかを説明するのに苦労し、世代間のギャップを感じたのを思い出します。

たとえ自分の仕事をうまく説明できたとしても、同じような世代間のギャップをあらゆる場面で経験したことがあるのではないでしょうか。私たちは前後の世代とは少し異なる世界に住んでおり、その違いの多くは仕事でのコミュニケーションにも通じるのです。特にZ世代においては仕事への考え方が目まぐるしく変容しているのです。

しかし、仕事へのやる気(モチベーション)という観点では果たして世代間にギャップはあるのでしょうか?

弊社Attunedが蓄積したZ世代、ミレニアル世代、X世代、ベビーブーマー世代の1万3000以上の回答者のデータから見えてきたものを解説します!

Attunedでは、心理学者とデータサイエンティストのチームが、仕事に関係する内発的動機づけを洗い出し、クラスター化と検証を経て 11 個に絞り込み、それらの11の内発的動機づけのことを、動機づけるモノ・コトという意味で「モチベーター」と呼んでいます。

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利他性、創造性、成長、安全性は、どの世代にもほぼ等しく重要である

「利他性」「創造性」「成長」「安全性」の4つの価値観は、どの世代でもほぼ同じように重要視されています。どの世代であっても、「助け合う職場環境」「新しいスキルを身につけたり、新たなものを生み出す機会」「先のことを考え、最高のパフォーマンスを発揮するための明確な枠組み」を重視する傾向があります。

例えば、「利他性」に関しての4世代の回答分布を見てみましょう。


ここには「世代間戦争」はありません。どの世代に属するかにかかわらず、協力的な環境、部下や同僚を助ける機会を重視する人はほぼ等しく存在するのです。


ベビーブーマー世代とX世代はミレニアル世代とZ世代に比べて、利他性の価値観の重要性がわずかながら低下していますが、大きな差ではありません。また、性別の観点から見ると女性は男性よりも利他性を重視する傾向があり、特にベビーブーマー世代の女性は、ミレニアル世代の男性よりも利他性を重視する傾向が強いと言えます(ただし男女の違いは一般的に考えられているよりもずっと小さくなっています)。


「創造性」「成長」「安全性」についても同様で、4世代間で大きな違いはありませんが、「安全性」の場合、Z世代よりも上の世代では仕事にも生活にも余裕が生まれてくるため、やや低下しています。


しかし、キャリアをスタートさせたばかりの若い世代が、明確な役割や枠組み、期待を、数十年のキャリアを積んだ人たちよりも若干高く評価しているという事実は、それほど驚くことではありません。


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競争性、フィードバック、合理性、社交性、ステータスは、年齢とともに重要性を失っていく傾向

「競争性」「フィードバック」「合理性」「社交性」「ステータス」については、ミレニアル世代やZ世代に比べ、ベビーブーマーやX世代でより顕著に低下していることが回答分布で示されています。

「フィードバック」を例にみてみましょう。

このグラフからわかるように、フィードバックにおいてZ世代とその上の世代では大きな違いがあり、若者の方がフィードバックを重視する傾向にあるのです。つまり、フィードバックによってベビーブーマーの約18%が高いモチベーションを得られるのに対し、​​Z世代はその2.5倍の約45%が高いモチベーションをフィードバックによって得られるのです。


(ここでの「高いモチベーション」とは、Attunedでは、回答者の上位30%に属すると定義しており、この分析では、正規分布の平均値から少なくとも0.5標準偏差上のスコアを持つ人にほぼ相当しています。)


しかし、これらの数字は、「Z世代は仕事でのフィードバックを求め、ベビーブーマーはフィードバックを求めていない」ことを示すものではありません。もちろん、ベビーブーマー世代の人の中にも仕事でやる気を感じるために多くのフィードバックを必要とし、また、両世代の中でもあまりフィードバックを必要としない人もいます。しかし、Z世代の場合はフィードバックをモチベーションに感じる人が多いのです。

しかし、これらの違いは世代によるものなのでしょうか、それとも年齢によるものなのでしょうか?

Attunedはモチベーションに関するデータを収集していますが、長期的なデータがないため、結論を出すことはできていません。しかし、確実に言えることは4世代間のモチベーションの違いは確実に存在しており、年齢とともにモチベーションが変わることもあるということです。


結局のところ、実務に携わる経営者や人事担当者にとって、知っておくべきなのは社員が若ければ若いほど、仕事に対するモチベーションを高めるためにフィードバックや評価によってモチベーションが高まりやすい傾向があるという事です。

また、若い世代は競争的な環境、因果関係や意思決定の根拠の明確な説明、職場で親しい友人を作る機会、出世の機会などを上の世代よりも若干高く重視しているようです。ベビーブーマー世代の女性はベビーブーマー世代の男性やX世代の女性よりも「合理性」を重視しているようです。この結果は男性が女性よりも平均的に合理性をやや高く評価する傾向があるため、やや意外で明確な説明はできませんが、人の動機を理解する上で、世代や性別の固定観念がいかに役に立たないかを示す良い例だと思います。


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自律性は年齢とともに重要性を増していく傾向に

自律性とは、自分自身の意思決定や時間の使い方を柔軟に、かつ自主的に計画できる環境のことで、年齢が上がるにつれてその重要性が増していくようです。

ベビーブーマーはZ世代の約2.5倍も仕事において自律性を重視しています。このことは、自律性を重視するZ世代がほとんどいないことを意味するものではありませんが、他の世代に比べれば、自律性を重要視する人は少ないということです。


この傾向は女性でより顕著で、ベビーブーマー世代の女性はZ世代の女性よりも4倍も自律性を重視する傾向があるようです。

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ミレニアル世代は、他の世代よりもファイナンスを重視している

私たちは皆、ほとんどの場合、お金を稼ぐために働いています。しかし、仕事選びや動機付けにおけるお金の重要性は、年齢(または世代)により多少異なるようで、ミレニアル世代は他の世代よりも平均的にファイナンスを重視しているようです。

これも、年齢によるものか、世代によるものかはわかりません。

しかし、ミレニアル世代も30~34歳をピークに年齢とともにファイナンスの重要性が徐々に低下しています。その理由の一つは多くの人が結婚して家庭を持ち、安定した生活を手に入れることができることが大きいでしょう。

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過去の研究との比較とまとめ

これらの結果は、過去の研究と比較してどうなのでしょうか?

事実として、以前に発表されたリサーチと似たものを示しています。

今回のAttunedのデータからも、同様に、利他性の価値観に世代間の有意な差は見られず、ベビーブーマー世代は他の世代よりもステータスの価値観のスコアが低いことがわかりました。この研究では、「ベビーブーマー世代は勤続年数が長いため、地位が満たされ、ステータスの価値は、年を取るに連れてそれほど重要ではなくなった」という仮説を立てることができます。

一方、以前のこのリサーチとAttunedのデータが示す世代間の自律性の必要性は異なっています。この違いの理由のひとつは、Z世代が調査にあまり登場しなかったことでしょう。また、504人というサンプル数は、今回のAttunedの調査対象である13,000人以上よりもはるかに少なく、サンプルの80%以上がベビーブーマー世代またはジェネレーションXに属していることから、今回のデータはより強固なデータサンプルであると考えるのが妥当であろうと思います。

全体として、動機づけ(モチベーション)、価値観に関しては、世代間に大きな違いはないという結論と、存在する違いは世代間ではなく年齢によるものかもしれないという考えは、このテーマに関する真剣な研究を続けてきた人たちを驚かせないはずです。

このようなメタ分析でも、「世代の違いと仕事の成果との関係は小さく、多くの場合、本質的にゼロである」と結論付けられており、世代の違いというよりも、「年代やその他の変数が、観察された小さな効果に関係していると思われる」ことが示唆されているのである。

また、Attunedのデータから私たちが観察した4世代間の小さな差異と動機づけ(モチベーション)、価値観のほぼ無限の組み合わせのを対比させることも価値があります。Attunedが11のモチベーターを測定し、回答者がそれぞれ中立的、あれば良い、必須を持つことを考えると、回答者が持ちうるモチベーターレポートは7兆5千億通り以上の組み合わせがあることになるのです。

ここからわかったこととして、どの世代の人でも、年齢や世代が同じであってもモチベーターレポート、つまり個人の価値観は異なっている可能性が高いのです。

この記事は、当初の長さから読みやすく編集されたものです。フルバージョンを読むには、SubstackのThe MotivatingManager Monthlyをご覧ください。

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Daniel Bodonyi
Founder, MotivatingManager