【セミナーレポート】社員のウェルビーイングを向上させる 心理的安全性と内発的動機を高める戦略・後編

 

2021年12月14日に『社員のウェルビーイングを向上させる 心理的安全性と内発的動機を高める戦略』というタイトルでオンラインセミナーを開催しました。多くの方にお越しいただき、質疑応答のやり取りも活発に行われました。ひとつ前に公開したセミナーレポートでは、Attunedの心理学者メリッサ・タラントラ博士によるKeynoteセッションについてレポートしました。まだお読みなっていない方はぜひそちらもお読みください。

今回は後編ということでAttuned CEOのケイシー・ウォールのセッションと、Attuned事業開発責任者の飯田を交えての質疑応答をレポートしていきます。

 

Attuned CEO ケイシー・ウォールのセッション

 Attunedとしてアメリカの人事リーダーのカンファレンスに参加をしてきました。その際に話題に上がったポール・オニール氏の発言についてシェアし、加えてケイシーが実際にマネージャーとして経験した失敗談をお話しします。

ポール・オニール氏の発言

アメリカのアルコア社の1987年に開かれた株主総会にて、新たにCEOに就任したポール・オニール氏のとある発言がアメリカの人事リーダーらの中では注目を浴びています。それは”私はアルコアをアメリカで最も安全な企業にするつもりです。負傷者をゼロにします。” この発言に関してポール氏が意識していたこととは、心理的安全性の高い職場を作ることでした。実際にこの3ヶ月後に、アルコア社の工場で怪我人が発生しました。ポール氏はすぐにマネージャーを集めて、どのような問題があったのかなど経緯を説明させました。しかしその際に、彼はどんなミスも怒ることはしませんでした。この出来事をきっかけにさらに皆が何でも言える環境の構築に成功したのだ。

マネージャーとしての失敗談

Attunedに入社したハイパフォーマンスなメンバーがいましたが、彼は仕事の環境に満足をしていなかったようでした。彼の上司であった私のジョブアサインメントやタスク管理が納得のいくものでなかったり、コミュニケーションが足りないと言うことを訴えられました。  

Attunedのリーダーとしては頑張っていたが、1マネージャーとしてはメンバーの内発的動機などを注視できていなかった。今振り返ると、当時マネージャーとしてはコンフォートゾーンに身を置いていたと思います。昔の未熟な私であれば、彼に対して”そのような言い方はしないでくれよ”と怒っていただろうが、しっかり彼の意見を受け入れ”ありがとう”と伝えた。それをきっかけに私もマネージャーとしてパフォーマンスゾーンに移行できたと思うし、彼もその後どんどんパフォーマンスが向上し、Attunedの成長に貢献してくれている。


質疑応答

今回のオンライセミナーではたくさんのご質問をいただき、Attunedのケイシーと飯田が回答をしました。

Q. 企業が心理的安全性をどの程度実現できているかを客観的に理解できるような指標などはありますか?

A. メリッサ博士のKyenoteセッションでも紹介しましたエドモント博士の心理的安全性のテストスコアもありますし、Attunedでも心理学者のチームを中心に作成した心理的安全性の達成状況を評価できるような仕組みがあります。

Q. 自分から主体的に動くことを好まない社員がいるのですが、主体的に動いてもらえるようにするためにはどうしたら良いか?

A. 小さくても良いので目に見える成功を体験させることが、誰にとっても変化を恐れずに動きやすくする要因になると思います。その社員の仕事によって数字として良い結果が出たとか、周りの社員が成長したなど上手くいったという事例を示してあげることが重要です。またAttunedでは各社員のモチベーターを測ることができるので、その人が何にモチベーションを感じるのかを理解し、提示してあげることも有効です。

Q. リーダーやマネージャーなどのトップ層以外の人間が、組織の心理的安全性を導入するためにできる事はありますか?

A. とにかく話し始めることが大事だと思います。マネージャーとのミーティングで心理的安全性についての話題を振ってみたり、それについてどう思うか聞いてみたりすることが重要なのではないでしょうか。

Q. 自律的な人材の育成はどうすれば良いでしょうか?

A. 会社のために好ましい積極的な行動を起こすためには、心理的安全性が確保されていることが重要になります。社員が何かアイデアを思いついた際に、それを皆に言ったら怒られるのではないか、冷たい目でみられるのではないかなど、結局何もやらないことがその社員にとってベストな選択となってしまい、それが自律的とは程遠いものとなってしまいます。なので思いついたアイデアを皆に発信でき、実行できる環境を作ってあげることが必要となります。そして失敗したとしても受け入れ、なぜ失敗したのか、次成功するためにはどうしたら良いかを皆で考えられるような仕組みの構築を目指すことが重要です。

Q. リーダーとして部下からの信頼がない状態で苦しんでいます。急に変わると気持ち悪がられませんか?

A. 部下の大事にしている価値観を理解してあげることが良いと思います。自分と価値観が同じだとは限りません。部下から信頼を得れていないとしても、関係性を良くしたいと自分の言葉で率直に話しかけてみてはいかがでしょう。その上で、部下の意見に共感はするべきですが、全てを受け入れる必要はなく、
マネージャーとしてここは譲れないなどディスカッションをすると良いでしょう。

 

ホワイトペーパー

今回レクチャーをしたメリッサ・タラントラ博士による最新のホワイトペーパーもございます。「心理的安全性を高める“アフターコロナ”の職場づくり」というタイトルのもと、企業が心理的安全性と内発的動機づけを職場文化に組み込む方法を調査し、今日から始められるシンプルで効果的な戦略を紹介しています。より生産性の高い新しい働き方の実現に興味のある方はこちらからダウンロードしてください!

オンラインセミナーのご案内

2022年1月18日14時より『次世代リーダーの仕事の充実感を高める 心理的安全性のつくりかた 〜マネージャーの負担を減らす1on1を実現するには?』というオンラインセミナーを開催致します。

本セミナーでは、次世代のリーダーとなることを期待される部下の心理的安全性を向上させることが、マネージャ自身の負担を減らし、疲弊から救うメカニズムを解説し、「関係性の質」を改善する具体的な手法について紹介していきたいと思います。また最近「1on1ミーティング」を導入する企業も増えていますが、1on1ミーティングが根付いている外資系企業での経験が豊富な講師より「1on1の効率化ポイント」についてもお話します。

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