職場での世代間ギャップは存在する? 〜異なる世代をマネジメントする最善の方法とは
皆さんは職場で世代間ギャップを感じたことはありますか?
おそらく多くの人が、その答えとしてYesというのではないかと思います。
私自身もキャリアを築き年を経るにつれ、必然的にチームに加わる若手社員との間に世代間ギャップを感じるようになりました。
私はX世代であり、私よりも若い世代にZ世代とミレニアル世代の2つの世代がいます。メディアでは、これらの若い世代についてのマネジメントが難しいことや価値観やモチベーションが違うことなど、様々な世代間ギャップが指摘されています。
しかし私は、実は世代間ギャップはそこまでないのではないかと感じています。私の経験では、特定の世代をマネジメントするのが他の世代より難しいということはなく、世代によって職場に求めるものが(大きく)違うということもないのではと感じました。確かに、人々がコミュニケーションをとる媒体は変わったかもしれませんが、コミュニケーションの基本や人々が上司や管理職に求めるものは、世代に関係なく変わっていないのではないでしょうか。
この記事では世代間ギャップの真偽を探るとともに、一人ひとりに合わせたマネジメントの手法が大切な理由を考えていきます。
世代間マネジメントの課題
私にとって最も困難だった時期は、キャリアの初期、マネジメントを学び始めた頃です。当時の私は不安定で、上司と部下の力関係を重く考えすぎていました。時にはクールになりすぎたり、「物知り」になりすぎたり、自分がマネジメントしていた若い世代に近づけようとしたりしました。
このような行動が、直属の部下たちとの最もフラストレーションのたまるやりとりにつながってしまったのです。ルーティーン化してしまって代わり映えのない1on1もそのひとつで、双方にとって大きくやる気を失わせるものでした。このような経験から生じた落胆の感情は、私の心の奥深くに残ることとなり、その後にAttuned創設のきっかけとなりました。
また、ここ数年では年上の世代をマネジメントすることに悩む人が増えています。これは私がずっと取り組んできた問題であり、上手くできるようになるまで、かなりの時間と労力を要しました。初期の管理職としての挑戦と同様、私の困難の多くは自ら招いたものでした。不安と偽者症候群が再び現れたのです。
年上の世代をマネジメントする際にこのような不安感を経験するのは私だけではないでしょうし、異なる世代のマネジメントを必要以上に難しくしているのです。
世代間マネジメントの鍵
世代間マネジメントの鍵は、世代を忘れて人をマネジメントすることです。誰もが自分の役割に満足し、やりがいを感じ、モチベーションを高めるために必要なものは人それぞれ異なりますが(詳しくは後述)、一般的ですぐできることから始めてみるのが良いでしょう。
例えば、年上の直属の部下に対しては時間が経つにつれて、彼は私より経験が豊富であるにもかかわらず、それ以外の要因から私の決定を尊重してくれることに気づくようになりました。例えば、彼らは私のような文脈や、会社の過去や不文律的な相互関係、組織を機能させるための知識を持っていませんでした。それゆえ、若い世代が必要とする指導やコーチングと同じように、私が彼らを成功に導く必要があったのです。
私が学んだ教訓は、世代に関係なく、すべての部下を適切にコーチングする必要があるということです。
ただ一方的に指導するだけでなく、どの世代の人も、自分が理解され、チームの一員であると感じる必要があります。マネージャーとして、じっくりと適切な質問をすることが大切です。以下がその良い質問とされる例になります。
個人として大切にしている価値観は何ですか?
尊重されていると感じるためには何が必要ですか?
あなたのコミュニケーションの仕方は、彼らが受容されていると感じられるような環境を作っていますか?
彼らのユニークな動機、複雑さ、矛盾を理解するのに十分な時間をとっていますか?そしてそれを受け入れていますか?
世代間マネジメントを簡単にするために
Attunedでは内発的動機づけ(人を内面から動かす価値観や嗜好)を可視化するツールを扱っています。何万ものモチベーションのアセスメントを実施したデータからわかることは人はそれぞれに違いがあり、自分で思っているよりも個性的であるということです。そしてAttunedのデータが示しているのは、仕事へのモチベーションに関しては世代間で大きな違いはなく、世代間の動機づけの違いはごくわずかであることがわかります。
そのため、私たちは仕事における各人にとって最も重要な価値観は団塊の世代、X世代、Z世代、ミレニアル世代、どんな世代であろうとその人が自分の役割に満足し、従事するために満たされなければならない動機づけのニーズに焦点を当てることが大切なのです。
ハイブリッドワークやリモートワークは、世代間のギャップがより顕著になる可能性がありますが、私たちがすべきことの核心は変わらないのです。
しかし、世代を超えたマネジメントの基本に関しては、以下のことを実践してみることをおすすめします。
個人の内発的動機を知る(自身の動機も同様です!)。
自分とは異なるモチベーションを持つ人々がいることを学ぶ。
価値観やモチベーションについて話すための共通言語を見つける。
自分の偽者症候群や不安を認めると同時に、それが見当違いである可能性も認める。
力関係に留意し、「誇示しない」。
結論
時が過ぎ、不況から前進するにつれ、私たちはコミュニケーションにおいて新たな課題を抱え続けるでしょう。そして、自分たちとは違う世代の人々を理解しようとする職場のニーズは高まっていくのです。
しかし、すべての世代が必要としていることは適切にコーチングされ、自分が上司や同僚に理解されていると感じることであり、世代間では大まかに差がなく、個人ごとにモチベーションが違うことに多くのマネージャーが気づくことができれば、私たちは正しい方向に進み続けることができるでしょう。
また、より多くの人々が異なる世代の人々と働くことで、チームの文化に新たな刺激をもたらすだけでなく、世代を超えて私たちを違うものにしているものよりも、はるかに豊かで意義深いものであるという考え方を再確認するのに役立つでしょう。