【モチベーションの上げ方】やる気がアップするモチベーターを理解する
やる気が起きない、モチベーションが上がらない・・・。そんな時、自分のモチベーションを上げる“スイッチ”がどこにあるのかを考えてみては。
やる気を高めたり、優秀な人を生かして組織の目標を達成していく役目の人や要因を「モチベーター」と呼びます。自分が心から楽しいと思えること=内発的動機、つまりものごとのプロセスの中で自然に湧き上がってくるポジティブな感情の動きを理解することが重要です。
インターネット上ではやる気を起こすコツ=「やる気スイッチ!」の数々が紹介されていますが、自分のモチベーターを認識した上で自分にあった「やる気スイッチ!」を押すことが効率的です。
そして、自分の業務をそつなくこなせる人は世の中に多くいますが、部下や同僚をやる気にさせて組織の業績を上げるモチベーターになるにはどうしたらいいのでしょう。
世の中で言われているモチベーターややる気を高める教訓についてまとめつつ、私たちのリサーチから得たノウハウをご紹介しましょう。
モチベーターを使ってやる気を上げる
やる気とは何か?
私たちが「やる気のある状態」になっているのは、どのような時でしょうか?脳科学者たちは、ドーパミン、アドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の中でも、やる気が高まるのは「ドーパミンが出ている時」であることを突き止めました。
モチベーターとは?
自分のやる気やモチベーションを上げるには、やる気を出させてくれるドーパミンを脳が出す行動を選択的にとったり、ドーパミンを出してくれる環境を求めることが良いでしょう。
そこで、モチベーターとなり得る人や要因、環境などについて考えてみましょう。
モチベーターを知る
自分のやる気やモチベーションを上げる要因はなんでしょうか?なかなか、自分自身のマインド次第でやる気をコントロールできる、というものでもないという実感がありますよね。
でも、あなたの周りにも、周囲をやる気にさせるのが上手い人がいるのではないでしょうか。そういう人のことを、「モチベーター」と呼びます。
また、自然とやる気が出ること(人によって違いますが、例えば、読書やランニング、プールなど)の要素も、「モチベーター」と呼ぼうと思います。
とにかく、自分を奮い立たせてくれたり、「ゾーンに入る」ために役立つ人や環境、自分の行動などのことを「モチベーター」と呼びましょう。
セルフモチベーターになろう
世界的大手の調査会社ギャラップは、日本の会社で「熱意ある社員」は6%、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%だったという、衝撃的な数字を発表してます。これが示すのは、自分以外の周囲に良い影響を及ぼすモチベーターであり得る人は、19人にひとりしかいないということになってしまいます。
そのため仕事で「誰かに励ましてもらいたい!」と思っているならそれは絶望的です。もし、「やる気ずーっとでない!」と思ってモチベーターの不在に困っているとしたら、行動を改める必要があるでしょう。
まずは自分でやる気を起こす術を学んで、自分のモチベーションを自分で上げるのが上手い人、「セルフモチベーター」になりましょう。
やる気を上げるTips
すぐに手をつけて、一瞬たりとも避けない
逆説的ですが、脳科学者の茂木健一郎さんは「やる気を出そうとすることは無駄」と指摘しているそうです。やりにくいことでも、とにかくやってみることで、人間は適応し作業効率が上がりドーパミンが出てくるのだといいます。
それは実感値としても真実ではないでしょうか。一度「避ける」と、ずっと「避け続け」たくなるものです。
筆者の周りにも、「嫌だなぁ」とか「本を読むのが死ぬほど遅い」とかぼやいている人がいます。ネガティブな言葉の力は強いので、あえてそういう言葉を使わない、これだけで人生がガラッと変わることを、私自身身を以て実感しています。
そして、取り組みやすそうな一部の楽な部分だけでも、少し手をつけて自分の内にあるモチベーターを起動させることが大切だと、米国の起業家で臨床心理学者でもあるスティーヴは著書で指摘します。
そもそも、「やる気」という言葉はすぐに問題に手をつけない、やる気を出すコツを知らない人間によって作られた虚構だ、と説明している方もいます。行動からしかやる気は出ないということでしょう。
意思の力に頼らない「環境」を作る
お金で助けを買うこともできるでしょう。意思を持ってやり遂げたいことに対して、監督してもらうことや、グループに参加して相互に監視する、メンターやコーチを雇ってモチベーターのいる環境をつくり出すということもできるでしょう。
例えば、英語学習であればSanta Toeicのコーチングプログラムが人気です。コーチが二人三脚で数ヶ月間みっちり自己学習を支援してくれるモチベーターの役割を担ってくれ、結果を出す人が続々現れています。
最近のトレンドとして、このようなオンライン上のコーチングや仲間同士で監督し合うモチベーターのコミュニティが無数に立ち上がっています。
自分を追い込む
先ほど紹介したスティーブの説明では、「意思の力を利用しようとするから辛いのです。」と説明します。やる気を意思の力から生じさせるのではなく、極端な話をすればそうせざるを得ない環境をあえてつくり退路を断つ方法もあります。
極端な話ですがこちらの本を書いた慶應大学特任教授の小杉俊哉さんは、「30歳を転機として借金をして米国に留学し、その後はその借金を返しながらアップルなどで最速でキャリアを自らつくりあげた」とおっしゃっていたことが印象的でした。
究極的なセルフモチベーターは、彼のような人や、スポーツ選手でしょう。才能だけでは実現し得ない高みを得るため、自分を追い込んで一つのことに取り組む天才です。
では普通の人に何ができるでしょうか?先に指摘したように心のハードルを低くして「無心」でモチベーターを起こさせるよう心を整えた上で、やると決めたことを予定表にアラームをセットするなどしてしまいましょう。
仕事のモチベーションをコントロールする
やる気の仕組みとやる気の上げ方を把握したところで、ではあなたがモチベーターとなって”仕事の自分”と”チーム”のモチベーションをコントロールするための方法を考察していきます。
前提としては自分の仕事について「やらされ感」によって仕事をしているのではない、という認識が必要です。誰かに命じられたからやるのではなく、自分で職場を選んで今ここにいることが自分の意思で選択したものであるということを改めて認識しましょう。
仕事でもセルフモチベーターであり続ける
とにかくやってみるという方法の他に考えられる方法としては、ご自身の得意な仕事とやりたい仕事を別々に考えてみて、少しでも合致するところを見つけて近づくという方法があります。
就職活動の時に誰もがやった自己分析でCan/Will/Mustを重ねてみましょう、とよく言われますが、仕事をキャリアのWillに近づけてしまう努力を勝手に始めてしまうことです。それが難しい場合、転職が視野に入ってくるわけですが日本企業の場合は社内で転職できるので意思力や交渉の強さで乗り切りましょう。
上司として部下のモチベーターになる
部下をよく観察し、価値観をよく知りましょう。部下が大切に思っている価値観は上司とは同じではありません。それが違うから様々な問題が生まれてきます。価値観の違いを知り、部下のモチベーターとなる価値観を刺激してやることは、つまり「やる気スイッチ」なのです。
興味を持っている話題を振ってやるのです。上司の昔話ではなく、部下の昔話を聞いてやる、くらいの覚悟が必要でしょう。そのためにはただ聞くだけでは不満をぶつけられるだけになってしまいますので、部下の仕事における価値観をよく知り、それに関連した成功談を引き出すのが良いでしょう。
筆者の先輩が書いたこちらの記事で紹介しているように、飲みに行って心を開くという「飲みニケーション」が機能しなくなっている時代には、上司と部下との信頼関係の構築にも1to1マーケティングのような視点が必要なのです。
同僚のモチベーターになる
当然、上記のテクニックは上司だけではなく同僚でも使えます。同レベルの入社年次であれば共有できる話題が広いぶん、暗黙的に自分の価値観やモチベーターと相手のそれが同じだと思い込んでいることも多いのですが、違いをしっかりと認識しましょう。
組織文化を変える
「ウチのチームはまじめだけど、モチベーションの低い社員ばかりで・・・」と、一度や二度は感じたことがある方も多いでしょう。
それは客観的なデータによっても示されています。再掲ですが、世界的大手の調査会社ギャラップは、日本人で「熱意ある社員」の6%が示しているのは、仕事におけるモチベーターは19人にひとりしかいないためです。
先進国中最低の評価を得ているこれらの数字は、日本では組織が自らの制度と組織文化によってモチベーターを減らしてしまっているということを意味します。
組織文化とはそこにいる人の価値観と、組織のビジョンで決まります。高い創造性が求められる職場では、チームメンバーは創造的であるための選択が自然にできる環境がなくてはならないでしょう。
職場はモチベーターによる動機づけの要因と、働きやすさを向上させる「衛生要因」の両方のマネジメントが組織マネジメントには求められていると考えられています。
価値観を知る
その人が持っている価値観を知ることでモチベーターの要素を把握し、それを押す役割を担えばあなたもモチベーターとなれるということを理解いただけましたでしょうか。
では、その価値観やモチベーターとなる要素をどのように理解するのが適切でしょうか?人の心の内側にあるものを、どのように分解して認識するのか、それは一見難しい作業のように思えます。
あなたの価値観とは、ワクワクすることでしょうか、正直であることでしょうか、冒険心をくすぐられることでしょうか、コミットすることでしょうか。
第1の選択肢は、こうした形容詞を思い当たる限り挙げてみることです。はっきり言って、これに勝るものはありません。具体的な確立された手法をご希望の方は、キャリアを主体的に作っていける人材になることを目的とした、キャリア自律研修を受講することをお勧めします。
第2の選択肢は、今日の心理学の基礎を作ったユングを生んだハンガリーを中心とした東ヨーロッパの心理学者による研究結果をバックボーンとした、東京発のサービス・Attunedを利用することです。
10分のテストを受けるだけで個人の価値観がわかり、全員が回答するだけでチームの組織文化がわかります。
個人の価値観を支配している「内発的動機」について知り、セルフモチベーターとなり、チームのモチベーターとなることが、変化の激しいVUCAの時代に「個人のやる気」と「チームのやる気」を同時に実現する、職業的成功にはこのようなことが必要ではないかと、考えています。
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